(過去ログ)シリア情勢について嫁と話した
かつて前々ブログで掲載し、まあまあ好評だった「嫁と話したシリーズ」をバックナンバーとしてご紹介します。
2017年4月13日に時を戻そう(笑)
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先日のことです。
アメリカがシリアにミサイル攻撃をしたときに、シリアの情勢について嫁と会話になりました。
嫁:「トランプさんがシリアにミサイルを何十発かうちこんだよねー。あれって、なんで打ち込んだの?」
私:「表向きはシリアの指導者、アサド大統領が、国民に対してサリンをばらまき、大量虐殺をおこなったことに対する制裁措置ってことになってる。」
嫁:「えぇ!?なんで国民にサリンをばらまかなきゃいけないの?」
私:「普通に考えたらありえないよね。シリアって実に複雑な状況になっててね。いろんな立場の人たちがいて、どの立場が良い悪いとか、誰かを排除したら解決するとか、簡単ではない状態になってるんだよ。」
嫁:「そうなんだ。」
私:「シリアの話の状況を理解しようと思ったら、アラブの春の話まで戻らなきゃいけないかな。」
嫁:「あ!アラブの春ってなんかあったよね、聞き覚えがある。」
私:「そう。2010年くらいから、アラブ諸国で発生した民主化運動で、シリアもその流れにのって、アサド大統領の政権が誕生した。でも、その政権に反対する反体制との争いが発生した。」
嫁:「え、でもそれって国民が望んで民主化した結果誕生した政権なんでしょ?なんで反対する人がいるの?」
私:「これには宗教対立が関係してる。アサド大統領は、イスラム教のシーア派の一派(アラウィ―派)で、主要なポストもこの派閥で固めている。一方、国民の大多数は、スンニ派と呼ばれる人たち。で、このシーア派とスンニ派は、実に仲が悪い。なので、アサド大統領は、生物兵器まで使って、国民を鎮圧しようとしてるんだよ。」
嫁:「そっかー、宗教かぁーーー。。」
私:「こんな内戦状態になったところに、あのISISが入り込んできた。」
嫁:「あー、知ってる!ISIS!テロ集団よね!」
私:「そうそう。ISISがシリアのいろんな地域にやってきて、最初は反体制派と組んだんだよ。ところが、反体制派って、意外に多くの資産や石油資源を持っている。だから、ISISは、シリア国民に対して攻撃し、いろんな地域を制圧してしまった。」
嫁:「え!そうなんだ!そうなったら、誰と誰が敵味方なの?」
私:「これが実に複雑でね。アサド政権としてはISISは疎ましい存在だけど、完全に排除する武力はない。なんせ、ISISって、誰かを頂点にしたヒエラルキー構造になっているわけではなく、薄ーく結びついている。場合によっては全然知らない人たちが、「よし、今日から俺たちISIS!」って流れにのって宣言しちゃったりする人たちもいるかもしれない。そうなると、完全に排除って本当に難しいんだよ。」
嫁:「ふーん。。。で、アメリカは誰に攻撃したの?」
私:「アサド政権の軍事施設をミサイル攻撃した。これはね、毒ガス兵器を使ったことによる制裁の意味もあるけど、もっと大きな意味があったと俺はみている。」
嫁:「なになに?」
俺:「ちょうどミサイル攻撃を実施したタイミングで、米中の晩さん会をやってたんだよ。つまり、中国、北朝鮮に対して「お前ら、俺は本気でやるときはやるぞ。わかってるな。」という強烈なメッセージを送ったんだと思う。」
嫁:「そうなんだ!トランプさんってそこまで計算して撃つなんてすごいね。」
俺:「これも外交なんだよね。軍隊や攻撃力をもつ国ではこういう外交を行うこともあるんだよ。」
嫁:「でもさぁ、シリアの軍隊を攻撃したら、それってISISに味方してることになるじゃん。」
俺:「そう、だからオバマは攻撃ができなかったんだよね。でもトランプはやっちゃうんだからなんともすごいよね。この攻撃で激怒りなのはロシアだよね。ロシアは、アサド政権を応援してるんだよ。理由は、ISISのテロがロシアに浸食してくると困るから。」
嫁:「うん、なんかそれはわかる。でも、毒ガス攻撃するような政権を応援するのもなんかおかしいよね。」
私:「そう、だから簡単にだれかを攻撃するとかどっちかを排除するとかでは解決しないんだよ。シリアは本当に国民がかわいそうだよ。ヨーロッパもこの状態を放置していられないんだよ。なんでだと思う?」
嫁:「なんだろう?わかんない。」
私:「シリアから、内戦を避けるために多くの難民がヨーロッパに流れ込んだんだよ。ドイツに至っては、最初メルケルさんが無制限に受け入れるなんて言っちゃったから、大量に難民が流入した。あまりに多くの難民がきたから、結局受入を制限したんだよね。」
嫁:「あー、なるほど!難民の問題か。ほんとに難しいね。。」
私:「今回のこの一件、日本でも他人事ではないんだよ。もしも北朝鮮に対してアメリカが攻撃をしたら、北朝鮮からの難民が日本に大挙して押し寄せてくるかもしれない。そのとき日本はどう対処するのか。また、拉致被害者をどう救出にいくのか。ほんと、国会は森友問題とかくだらないことやってないで、そっちの問題を最優先で議論してほしいよ。」
嫁:「そうか、確かに北朝鮮で同じことがおきたら他人事ではないね。。。なんかあったときのために、非常食や水を用意しとかないと。」
シリアは、本当に解決が難しい状況です。また東アジアは、さらに緊迫度をましてきました。国会でももっと緊張感をもって有事のためにとりくんでもらいたいです。
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我々日本人にとって、中東地域の情勢というのはあまり馴染みがないですよね。
常識や慣習、ものの考え方も日本とはかなり異なる部分もありそうだし、地政学的にも日本から離れているので感心が薄くなってしまうのですね。
今、シリア情勢ってどうなってるんだろう。。
また調べておこうっと。
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m