プロジェクトあるある(95)
本日のプロジェクトあるある:
お客様からの追加要望に対し、理解したという意味で「わかりました」と答えたら、要望を了承したと受け取られてしまい後にもめる
普段お客様と会話をして相づちをうつとき、あなたはどういう風に答えますか。
「はい、はい、」
「ええ、ええ、」
あたりが一般的ですかね。
わざわざ説明するまでもありませんが、これらは相手の言っていることを全肯定しているわけではなく、相手の話をきいているよ、という意味合いで使っていると思います。
そして、会話の最後のしめくくりによく言うのが
「わかりました」
「承知しました」
です。
これも、「話としては理解しました」という意味で使いますよね。
あるプロジェクトでのことです。お客様と営業が立ち話をしている中で、機能追加の要求がありました。
この機能を追加しようとおもったら、結構大元の設計変更につながるので、かなりの手戻りが発生してしまいますし、納期を間に合わせようと思ったら人員が足りなくなります。
その話を営業さんが
「はい、わかりました。」
と言って話をしめ、次の話題にうつっていきました。
営業としてはこの要求、受けたつもりは全くありませんでした。
要望の内容は理解しました、という意味で「はい、わかりました」と答えていたのです。
ところがお客様は我々が要望を受諾してくれたものと受け取ってしまっていました。
営業さんは立ち話の中でそういった会話をしていたことをすっかり忘れてしまっていて、プロジェクト側にはその要求が伝わっていませんでした。
(これはこれで大問題なんですけどね。。)
結局、プロジェクトチームがいつまでも追加要求に対応しないことに対してお客様が怒り出しました。
プロジェクトチームは何も聞いていないので、なんのことだかさっぱりわかりません。
お客様は
「おたくの営業が対応するといったじゃないですか!」
と主張します。
そして営業に話をきくと、
「確かにその話が立ち話であったときに、『わかりました』とは言ったが、それは検討するという意味で承ったという意味ではなかった」
という弁解。
もう、完全に言った言わないの不毛な世界に突入してしまいました。
結局、この要求は対応することになってしまいました。
あいまいな表現でいろんな意味を伝えられるのは日本語の良いところでもありますが、ビジネスにおいては意思表示を明確にしなければいけません。
なので、「できる、できない」「持ち帰る」など、明確に伝わる言葉を使わないと、こういうトラブルが発生してしまうのでした。
もうひとつは、立ち話など、口頭で交わした約束事や確認事は、後からメールでやりとりするなど、必ず文字で証拠を残しておくべきです。
ちなみに前々職の先輩から教えてもらったことがあります。
「無茶な要求を相手がしてきたときに、絶対『やります』とは言ってはいけない。その代わりに『がんばります』と言ってこい」
これ、「意思表示を明確にせよ」というのとは真逆のアドバイスですね(笑)
今にして思えばこれって、
「できるかどうかはわかりませんが、精いっぱいやってみます。」
ということなのですよね。
直接な表現で言ってしまうとネガティブな印象を与えるので、「がんばります」を使うのは「できる」とも「できない」とも答えないが前向きな印象を与える、絶妙な表現なんですよね。
状況によっては使えるシーンもありますが、やりすぎると信用されなくなってしまいそうなので注意しましょう(笑)
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m