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ライバルを追え! ~ベンチマーキングのススメ

先日に引き続き、コーチをやっている弓道部の学生との1on1の面談を実施しました。大好きな?弓道ができなくなって少し落ち込み気味でしたが、やはりモニター越しだったとしても顔を合わせて話をすると、お互いにモチベーションにつながりますね。早くコーチ活動に復帰して、熱く語り合いたい意欲に駆られています!!

本日はその学生との面談時に、当人がモチベーションの源泉、と言っていた「ライバルとの競争意識」について記事を書きたいと思います。

私自身、学生時代はその時その時で色々な人を「ライバル」として位置付けながら『絶対にこの人よりも活躍してみせる/超えてみせる』という闘争心を呼び起こしながら練習に取り組むタイプでした。
現在の教育の現場において、競争意識を持たせる取り組みはなかなか難しいところもあるとは思いますが、ことスポーツにおいては成長に繋がる結構重要な要因だったりしますので、スポーツマンの端くれとして少し想いを語らせてください。

【競争意識を持たないと何が起こるのか?】
☞一言で言えば、競争意識を持たないと「成長が止まります」
どんなに(選手としての)自らのポジションが上がったとしても、何かを追うことを止めると成長が止まります。「自分の今いる位置を守ること」が目標になると、追われているプレッシャーから焦りが出やるくなりますし、何よりも守りに入ると変化を恐れるようになります。「変化を止める」ということはすなわち「成長が止まる」ということと同意義です。この状態になると、緩やかに衰退していきます。
スポーツに取り組む場合でも何でも「自分より上がいない」という状況はほとんどの場合において起こりえません。必ずどこかに自分にはない、素晴らしいものを持っている人たちが存在しています。もし仮に『自分が一番成功している』と思うのであれば、それは「視野が狭くなっている」ことへのサインです。緩やかな衰退がはじまっているとも言えますので、周りに目を向け、目標とするべき人を見つけ出すことをオススメします。
『常に追う方=チャレンジャーでいることを意識する』ことは、自らの成長を止めないための秘訣です。

【競争意識を有効活用するための3ポイント】
①ベンチマークする人を決める

☞何はともあれ、最初は「ライバル」を設定するところから始めましょう。ライバル≒ベンチマークの設定方法は「横のベンチマーク」と「縦のベンチマーク」の2つの方法があります。
「横のベンチマーク」というのは、自分の今時点の実力をベースに、自分の少し先を行っている(自分より少しだけ格上の)人をライバルとして設定する方法です。私が良くやっていたのは、自分なりにチーム内の実力(選手として選ばれる順番)をランキングして、自分よりも1つか2つだけ上のランクの人に狙いをつける方法です。一気に順位をゴボウ抜きできればいいですが、現実的には一つずつランキングを上げていくのが筋道です。自分なりにランキングをつくると、具体的に「誰」を追い越せばいいのかのイメージがわくのでおススメです。
もう一つの「縦のベンチマーク」といのは、将来の自分の実力がどこまで伸びていればいいのかを、自分に先行している人を指標において検討する方法です。例えば1年後の自分が『この人は超えていたい』と思う「1年上の先輩」をベンチマークとして設定します。今はもちろん、1年分のギャップがあるので、当然自分の方が実力は下になりますが、1年かけてその人を追い越すことができていれば、その人の実力を超えたことになります。どうしても横のベンチマークだけでは近視眼的になってしまい、将来を見据えた長期的な成長プランが描けなかったりするので、横と縦の両方の観点を持ってベンチマーキングしていくことが重要です。

②ギャップ分析を行う
☞具体的なライバルが決まったら、次は『どうやったら彼/彼女ではなく自分を選手に選んでもらえるか?』ということを考えていくようにします。これはすなわち、「相手と自分の間にどのような差=ギャップが存在するのか」を具体化・明確化するステップです。
相手は「自分とどんな違いがあって選手として(自分より先に)選ばれるのか?」「具体的な数字(競技実績等)は自分と相手でどれくらい違うのか?」という問いを自分に投げかけ続け、感覚として「同じくらい」と思っている相手と自分との間にどれくらいのギャップがあるのかを冷静にとらえて行きます。
近そうに見えて、意外とギャップがあったりするものです。単に競技レベルだけでなく、練習態度や人間性などによる部分も出てくるかもしれません。相手を良く観察することがここでの重要なポイントとなります。

③「勝つ」のではなく「負けない」ことを意識する
☞相手とのギャップを冷静に分析出来たら、あとはライバルを超えていくために、自信を成長させ、ギャップを埋める練習を行っていきましょう。この時、意識すべきは『持続力』です。
毎日練習をしていれば、どこかのタイミングで相手に「勝てる」場面は現れるかもしれません。ただ、一時的に「最高速度」が出て、相手に勝ったとしても、それは長続きしません。相手も自分も調子の波というものが存在します。継続的に相手を上回らない限り、あなたのランキングは相手より上がることはありません。
相手がたまたま調子が悪く、あなたにチャンスが回ってきた時にしっかりと結果を出し、それをどれだけ粘ってキープし続け『アベレージで勝つ』ことができるか、すなわち長く持続する力があるかどうかが、選手として選ばれる秘訣です。意識は長距離走。単にライバルに『勝つ』のではなく、『負けない』ことを意識しなくてはなりません。

誰か特定の人を強く意識し、目標に据えて頑張ることは、決して相手のことを羨んだり、相手の失敗を願うことだけではありません。健全な競争意識を持つことは、お互いの切磋琢磨や、友情の深耕に繋がっていきます。
ぜひ、あなたの『ライバル』を見つけ、刺激のある部活生活を送ってください!!

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