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モンドリアン展|完全にして純粋な抽象絵画

2021年3月23日~6月6日の期間、SOMPO美術館にて開催される「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」へ行ってきました。

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モンドリアンと言えば幾何学的な抽象画が特徴的で、モンドリアンを知らなくとも今回の企画展のメインでもある「大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション」をみたことある方は多いのではないでしょうか?

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※企画展のポスターに掲載されている作品が「大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション


私もモンドリアンと言えば幾何学的な抽象画を描いた画家というイメージを抱いていましたが、最初から抽象画を描いていたのではなく、初期の頃は自然主義的な風景画を描いており、アムステルダム印象派バーク派の影響を受けた作風です。

私は19世紀後半に起きた「写実主義」「自然主義」の流れを汲む風景画が大好きなので、モンドリアンの初期作品は非常に大好物で興奮しました。

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ダイフェンドレヒトの農家」(1905頃)

神智学への影響から神秘的な絵画を描くようになり、次第に作風に「抽象」が現れ始めました。そしてパリに移住した際にキュビズムに傾倒した作風に変化していきます。

1914年に描かれた「色面の楕円コンポジション 2」はキュビズムの作風に抽象化された幾何学的な印象絵画として後の作風を思わせる作品が生まれました。

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色面の楕円コンポジション 2」(1914)

1920年から、モンドリアンは水平線、垂直線、三原色の矩形からなる構成された抽象画を制作するようになります。1921年には代表作の「大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション」が発表されました。

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大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション」(1921)


モンドリアン展はモンドリアンが絵画を描き始めた最初期の風景が時代から、神智学に影響された神秘的で抽象的な試みが現れ始めた時代、キュビズムに傾倒し、幾何学的な抽象画を描き始めた時代、そして水平線、垂直線、三原色で構成された新造形主義の時代までを時系列に沿って楽しむことができます。

作風の移り変わりはもちろんですが、抽象画家の描く風景画や人物画をしっかりと見れることも面白い企画展です。

また、モンドリアンが生きた時代にいかに様々な思想が生まれ、多くの刺激に満ちていたのかが絵画から感じることができるのもモンドリアン展の面白いポイントでした。

モンドリアンが提唱した新造形主義や芸術グループであるデ・ステイルについても触れることができることも素晴らしい点です。

特にヘリット・リートフェルトの家具も合わせて見ることができるのは感動しました。思わず「すげぇ」と声を漏らしたほど。

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赤と青のいす」(1917)


私とモンドリアン

私はアーティストではなく、何か表現をする職業でもありません。純粋にアートが好きで、趣味でアート鑑賞をしている身です。

そんな私でもモンドリアンの存在は知っていました。

出会いはおそらく美術の教科書で、初めて本物のモンドリアンの絵画を見たのはパリへ一人旅で訪れた時によったポンピドゥー・センター「国立近代美術館」で観た「ニューヨークシティー」が最初だと記憶しています。

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ニューヨークシティ」(1942)


モンドリアンの作品は中々目にする機会が無いため、モンドリアン展でやっと鑑賞することができたなぁ…と嬉しい気持ちです。

企画展の図録も購入しましたが、モンドリアン展っぽいお洒落な作りで大変興奮しました。じっくり読んで悦に浸りたいと思います。


今回展示された作品の中では、私は初期の風景画が好みだったのですが、神智学ゲーテ色彩論から影響を受けた神秘的な作風の時期が特に印象的でした。

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少女の肖像」(1908)

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オランダカイウ(カラー);青い花 」(1908−09)


神秘的で色彩の衝撃は生で見るとより鮮明で強烈なので、是非ともその目で観ていただきたいと思います。

元々風景画を描いていたのもあって観察眼は鋭く、構図も優れているので観ていて心地よく、スムーズに鑑賞できるのもモンドリアンの魅力です。

特にキュビズム風の作品はキュビズムなのに疲れないので衝撃でした。

私はキュビズムを見るとドッと疲れがくるのですが、モンドリアンの作品はキュビズムでも見事に収まっていて流石の一言。

新造形主義の作品は同年代の作家の作品も同時に鑑賞できるので見応え抜群です。

デジタルと違って、油彩画なので近くで見ると筆遣いが確認できるのも非常に面白いです。モンドリアンの作品はデジタル作品っぽさがありますが、完全アナログなので、それもまた魅力的です。

ぜひ、この面白さを生で体験してみてください。


※モンドリアンが提唱した新造形主義についてはバウハウス叢書で詳しく知ることができます。デザインに携わる方にもオススメです。

【パーソナルデータ】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント/ライター
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽Dig
特技:和太鼓

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM




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S.Uto
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