フリーランスとして生き残るには「肩書き」が必要である
肩書きは自身の価値を可視化する
肩書きを持つことで「自身が何者なのか」が目に見えて分かるようになります。
フリーランスとして活動していく以上、自身の肩書きをしっかりと提唱しておかなければ仕事を獲得することはできません。
ライター業として活動しているのであれば「何を専門とするライター」なのかが明確になっていれば仕事の依頼は来やすくなります。
これからフリーランスを目指すのであれば、特に自身の肩書きは重要になるため、改めて提供できる価値を明確にし、名乗る肩書きを定める必要があります。
具体的な肩書きは「何ができるのか」を分かりやすく押してくれる
肩書きには「具体性の高い肩書き」と「抽象度の高い肩書き」の2種類に分類されます。
例えば企業であれば、『株式会社〇〇 マーケティング本部 プロジェクト推進室 デジタルマーケティングコンサルタント 室長』と言う肩書きは「マーケティング本部内にあるプロジェクト推進室の室長を務めるデジタルマーケティングコンサルタント」であることが分かります。これは組織内におけるポジションと実際の業務を肩書きとして表現しているものです。
個人であれば『WEBライター 〇〇』『WEBデザイナー 〇〇』のように自身の業務範囲と業種を肩書きとして名乗ります。
これらの肩書きは自身が『何者なのか』を分かりやすく伝えてくれるため非常に重要な役割を果たします。そしてこの肩書きはフリーランスにとってかなり重要なものになります。
そして、フリーランスの掲げる肩書きは「個人」だからこそ、具体的に顧客に『何者なのか』が伝わる必要があります。
抽象的な肩書きは「できること」が伝わりにくい
フリーランスとして活動していると『自分の肩書きが分からない』という状態になったことがある方は少なくないと思います。
ビジネスの世界で個人の力で生き延びなければいけないフリーランスは様々な活動に身を捧げます。もちろん一つの業種で成果をあげる方もいますが、「具体的に何をしているのか」を言い表すことができない人も多くいるのも事実です。
『あなたは何をしているの?』と尋ねられた時、どのように説明しますか?
自身の価値をきちんと棚卸しできておらず、抽象度の高い肩書きを名乗っていませんか?
自身が提供できるサービスについて説明できず、機会損失を引き起こしてしまうと非常にもったいないと言えます。
例えば私は『マーケティング職』に属するフリーランスとして活動しているのですが、マーケティングは一言では言い表せないほど非常に広域な範囲の業種・形態・ソリューションがあります。
だから『マーケターです』と名乗ってしまうと何ができる人なのか抽象度が高すぎて伝わりません。
だからこそ多くの人は『〇〇マーケター』と自身のできることを冠に置いて表現をしています。
そのため、肩書きには「具体性」が求められます。
抽象的な肩書きの構造を可視化する
肩書きを名乗っても必ずしも『自分が何者なのか』が伝わるわけではありません。結局は入り口に過ぎないため、自身が提供できる価値について説明できる必要があります。
そこでポイントになるのが広域で抽象度の高い肩書きの構造化です。
構造化とはその肩書きを名乗るまでに組み込まれている様々な「スキル」「実績」「専門性」をまとめた小さな肩書きの集合体のことで、自身の存在を可視化したものです。
例えば『Webマーケター』であれば、それらを細分化すると『Web担当者』『SEO担当』『広告運用担当者』などの小さなジャンルに分けられます。この中で自身ができることがその領域における肩書きとなり、それらの集合体の相性として『抽象度の高い広い範囲をカバーする肩書き』であるWebマーケターとなります。
フリーランスとして活動している人であれば「自身に何ができるのか?」を具体的にイメージしているため、難しくないと思いますが、これから開業を考えている場合は、自身の価値を明確にし、その価値を提供する職業の肩書きを具体性を持って定める必要があります。
私の肩書き
私を例に「肩書きの具体性」と「構造化された広域の肩書き」について解説します。
ちょうど一年前に私は「デジタルマーケティングコンサルタント」としてフリーランス活動を開始し、Web上で行われるマーケティング活動をサポートするサービスを提供し始めました。
しかし、対応できる範囲が大きい場合、提供できるサービスの具体性が薄れ、価値が正しく伝わりにくい部分があるため、自身ができることを正しく伝えられずに機会損失をする場面が多くありました。
そこで、提供するサービスに合わせて専門的な肩書きをそれぞれ細分化し、自身が提供できるサービスを端的に、かつ具体性を持って説明できるようにし、それぞれの肩書きの集合体が『自分』であることを武器として提供を始めました。
現在は、提供するサポートもソリューション単位で分割され、それぞれ必要な領域を部分最適化でも対応できるようにしています。
そして、細分化したことで肩書きを「デジタルマーケター」(または「Webマーケター」)だけでなく、「コンサルタント」「SEOマーケター」「広告運用代理」「Webアナリスト」など領域に合わせて名乗れるようになりました。
細分化されつつも、普段名乗る時はそれらを統合した名称である「デジタルマーケター」を名乗ることで『あなたは何ができるの?』と言う質問に対して正確に伝えられるようになったことで商談発生率・成約率は上がり、無事今日まで生き延びています。
さらにフリーランスとして活動を開始してからnote経由でWEBライティングの仕事をいただくようになり、WEBライターとしての活動を始めたことで「WEBライター」の肩書きも追加され、現在は時と場合によって変動させつつも「デジタルマーケター/WEBライター」と名乗れるようになり、業務範囲はさらに拡大しています。
元々私は「コンサルタント会社」「Webマーケティング支援会社」「Web接客ツールのベンダー」を経てから独立した経歴を持つため、「SEO特化のマーケター」や「広告特化のマーケター」と異なり、デジタル領域のマーケティングにおける様々な領域を対応してきました。
また、支援会社時代にSEO・広告・記事制作・コンテンツ企画・アフィリエイト・SNS・分析といった幅広い業務を対応していたこともあり、全体最適化のサポートが行える文脈があります。
それらを分かりやすく可視化し、価値として伝えるために『肩書き』で訴求することで、サービスを正当な価格帯で訴求できるようになります。