治療家が考える健康長寿の条件とは?
日々、治療活動をしている中で
●自分が長寿学から学んだ事
●健康で長生きしている高齢者に共通する点
をまとめてみた。
当院、80代〜90代でもかなり元気な方がいらっしゃるが、
今までご病気をされていない方もいれば
昔、大病を患い、その後健康を取り戻した方もいる。
そういった方たちの共通点を7つ述べてみたい。
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①生きがいがある
『曾孫の成長を見届けたい』
『買っている犬🐶のために、まだまだ元気でいないと!』
など、生きがいや目的があるから、毎日を積極的に前向きで生きようとする。
また生きがいがあるから健康を保とうとする。
②よく体を動かしている
アメリカの認知症予防の取り組みの一環で
『スニーカーを履いて、外に出よう』というキャッチフレーズを聞いたことがある。
定期的な運動は、脳の海馬を刺激する。
また山岳部などに進み、畑仕事を日常的にするなど
必要に応じて身体をしっかり動かしている人も
やはり元気で健康な長寿者が多い。
筋肉は1つの大きな内分泌器官と捉えられており、マイオカインなど様々な物質が分泌されている。日中に筋肉をしっかり使うことで成長ホルモンの分泌を促し、細胞レベルで健全さを保てる。
③糖尿病が少ない
健康長寿者には糖尿病患者は少ないと言われる。もともと糖尿病であっても生活習慣を見直し、予備群程度で落ちつかせている方々は元気な方が多い。
④胃腸が元気である
フレイルや足腰の筋力低下は『小腸の絨毛での吸収能低下』が原因として大きい。
食べても食べても痩せてしまう高齢者がいる中、食欲旺盛で体重を維持している高齢者はしっかりあるけている方が多い。
⑤野菜や大豆、発酵食品を積極的に摂取している
これらの食品はいわゆる腸内環境良くするもの。
急速な老化の原因は、慢性炎症(いわゆる怪我をして腫れるなどの急性炎症ではなく…もっと弱いレベルでの持続的な炎症)が原因と言われている。
腸内環境が整えば、腸でのバリア機能がきちんと働くことで炎症物質を体に取り込むことを防ぐことができる。
⑥何ごとにも感謝している
食事に関しても『うまい!』と美味しそうに食べたり
平凡な生活が遅れていることに日々感謝していたり
物事をプラスに捉えて、
ありがとうと感謝を口癖にしている。
⑦自分だけの嗜好品や趣味がある
『昼3時のおやつにお饅頭を食べるのが楽しみ』
『晩御飯に少し焼酎のお湯割りを飲めるのが幸せ』
『ガーデニングが趣味でお花を育てていることが楽しい』
など、日々の生活の中でちょっとした楽しみを持っている
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以上が自分が感じた共通点だ。
過去にご主人を戦争で亡くしたり
家族が既に他界していたり
身寄りがなく一人暮しで寂しい思いをしていたり
…必ずしも、全員が明るくて前向きなわけではない。
しかし、たまたま元気で生かされているというよりは、何かしらの『健康を保つ行動を、意識的に…または無意識的にしている』ケースがほとんどだ。
これから平均寿命がさらに伸び人生100年時代と言われている。
『いかに健康を保ち続けるか』が残りの人生の充実度を左右する事は間違いない。
健康長寿者である先輩方から学ぶことは多い。
自分の身体を知り、健康を保とう。