10年後の未来を考えて生きよう
私は内科医の伊藤裕先生の書籍を大量に読み込んだ時期がある。そこに書かれていたのが
『男女別で人がどのように衰えていくのか?』という内容だ。詳しくは書籍を見ていただければわかると思うが、大まかに説明してみる。
●女性のケース
①約12%が60代で急激に衰えて70歳を迎える前に介護状態となる
②約88%が70代で少しずつ衰え始めるが80歳を迎える頃はまだピンピン元気にしている。
そして80歳以降なだらかに老化をし90歳前後で亡くなられる
●男性のケース
① 約20%が60歳を迎える頃からどんどん身体を壊し始め、70歳を迎える頃には要介護状態となる
② 約70%が75歳以降体が衰え始め、80歳の頃には少しずつ人の助けを借りなければならなくなり、80代は要介護状態となる
●注目すべき残り1割の男性
残った10%の男性は
90歳になっても自立度の高い生活をしており、とても元気で、いわゆる『スーパー元気なおじいちゃん』である。
●人生100年時代に向けて
ここからが自分の見解だが、健康長寿のカギは、この10%の男性にヒントがあると考えている。
①筋肉と骨格をできるだけ維持すること
特に男性は筋力維持がしやすく、逆に言うと長生きするためにはまず筋肉や骨格を大切にすることが必要不可欠だ。最近の研究では筋肉は内分泌器官であると言われており、体を動かして筋肉をしっかり使うことで様々なホルモンが出ていることがわかっている。これらのホルモンは健康長寿の味方になってくれるはず。
②糖尿病を悪化させない
当院にも元気で自立している90代の方で糖尿病予備軍(境界型)で元気な方はいるが、真の糖尿病の方はいない。
ややふっくらされている方はいるが
極端な肥満体型の方もいない。
③丈夫な消化器官を持っている
周りで元気な高齢者や当院に来られている高齢者を見ても、90代前後で元気な方は、共通して食欲が旺盛だ。食べ過ぎて内科の先生に食べ過ぎて時々怒られるような方もいらっしゃる(苦笑)が、そのぐらい消化吸収能が維持できている。なので、食べたものがしっかり吸収されてその栄養素が筋肉に届けられるため、筋骨格を維持しやすいのだ。
④孤独でない
元気な高齢者は家族と同居していたり
独居であっても積極的に外に出て誰かとつながっている。
(もちろん、我々鍼灸マッサージ師もそんな独居の高齢者とつながっている人間の1人だ。詳しくは以前投稿した『町の治療院は医療のサードプレイス』を参照下さい)
●今からできること
アルツハイマー病は実は発症の20年前からアミロイドβが溜まり始めるということを聞いたことがある。
つまり60代で発症する人は40代で既に水面下で体調が悪くなり始めているのだ。
これは1つの例だが、まず最初の関門の60代で急降下しないためには、40代、50代の忙しい時期こそ、身体を大切にすることだ。
①まずは身体を動かそう
運動したり、エスカレーターを使わずに階段を歩いたりなど積極的に体を動かすことで全身の循環も良くなるし筋肉の維持にも役立つ。『貯筋』は必ず人生後半で、活きてくる。
②しっかり休養日を作ろう
働きすぎ→睡眠不足が続き疲労→疲労感→強い疲労感→慢性疲労状態が続くと、身体は悪循環する。バリバリ働き、家事もこなし忙しい日々の中、あえて何もしない休養日を作り、しっかりリフレッシュしたり睡眠時間を確保しよう
③糖尿病や高コレステロール血症に気をつける
血管がやられると体の組織は全体的に蝕まれる。定期的に健康状態を病院でチェックしよう。
④肥満を改善しよう
肥満になるだけで病気のリスクは断然上がる。少しずつ生活習慣を改善しよう。
⑤上手にストレスを発散しよう
ストレスの蓄積はやがてキラーストレスとなり体を蝕む。自分にあったストレス解消法を見つけよう(ストレス解消法については後日改めてnoteに記載する)
⑥身体に良いものから食べよう
スイーツやお菓子なども絶対に食べてはいけないものではないが、まずはしっかり食事を取ろう。身体に良い食事を取った上で、
おやつの時間に余った胃袋で食べる分には大きな害は無いかと考えている。
以上、人生100年時代をいかに変更できるか。そのためには健康寿命のための戦略が必要だ。できるだけ若いうちから少し先を見て計画的に行動しておくことが大切。
参考文献 『超・長寿の秘密』ーー110歳まで生きるには何が必要か 祥伝社新書
伊藤裕 著
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