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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 これまでの感想

【おことわり】

本文につきましては安蔵の視聴後の見解となっております。その他素晴らしいレビューをなさっている方がたくさんおりますので、そちらをお読みになられた方が良いかもしれません。

まずもって、レビュアーの表稼業多忙に伴う長期休載をお詫び申し上げます。

4話こそプライベート行事により録画視聴になりましたが、それ以降はきちんとリアタイ視聴しておりますので、内容を思い出しながらの感想文になるかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。


1.新規参入者と既得権益者との争いを、千代田のお城と市井を重ねて描いている

千代田のお城では、新参者である田沼意次と門閥老中との争い
市井では、出版界に新規参入しようとする蔦重と既得権益者である鱗形屋や鶴屋、西村屋といった地本問屋仲間との争いをうまく重ねているように思えます。

当時の田沼を除いた老中は
松平武元(六代将軍家宣実弟、越智清武を祖とする越智松平家)
松平康福(賜姓松平の松井松平家)
松平輝高(大河内松平家)

と、ゴリゴリの門閥派ばかりだったわけですからね。その門閥派が、田沼による財政改善ができたことで、将軍世子の家基の意向と称して日光社参を強行しようとして対立(第6話)
一方の田沼も、田安賢丸の吉宗崇拝を利用して偽書状を読ませて門閥派から遠ざけるなど(第4話)、争いが激化しております。

一方、呉服屋とのタイアップで出した『雛形若菜初模様』(第4話)、コンパクト化に成功し、かつ最新情報である五代目瀬川襲名までコンプリートした『吉原細見籬の花』(第7話)を刊行し一躍出版界に名を轟かせて地本問屋の仲間入りをしようとする蔦重を、あの手この手で阻害する地本問屋の重立連中との争いを千代田のお城と重ねながら描いているわけですからね。

おのれ森下佳子

2.キャスティングの妙味

前回以前にも触れた
「同情する前に金をむしり取りそうな安達祐実」
「欲落ちしたチビノリダー」
「ハリウッドスター🆚日本俳優界の重鎮」
といったキャスティングの妙味、さらにとんでもねぇことになってます🤣

第4話には長野方面の大町から来た宇宙人こと鉄拳さんが素顔で出てましたし、

ヴァー!
正直、スマンカッタ!

第五話には逆水平チョップやラリアットが得意そうな秩父の船頭(日本の三大メジャー団体のヘビー級シングルベルトグランドスラマー)が出ましたからね。

まぁ、2005年のプロレスリング・ノア東京ドーム大会でのチョップバカ日本一決定戦に関わった高山善廣選手(試合解説として関わった、これまた日本プロレス界のメジャー団体ベルトグランドスラマー)が大河ドラマに既に出てましたし、今回の佐々木健介の登場にはさほど驚きませんでしたけどね。

対戦した小橋建太さん、出るなら今ですよ(ボソッ)

そして第7話

これはなんというアニメですか?

地本問屋にそうそうたるメイン稼業が声優の人をたくさんつれてくるとは。
しかも、
片岡愛之助、風間俊介、西村まさ彦、松田洋治、高木渉、関智一といった大河ドラマ出演経験のある俳優各氏ゴリゴリの既得権益者として登場させ、

大河ドラマはおろか顔出しのドラマ初出演の中井和哉氏新規参入に寛容な地本問屋役にするだなんて

おのれ藤並英樹
おのれ石村将太

3.大河ファンがニヤッ(  ̄ー ̄)とする小ネタ

田沼さまが伊達重村の猟官運動に触れるという中の人ネタで収まらず

松平武元に対して「吉良様のように御指南いただきたく」(第6話)とか、
チーフ監督の大原拓氏の実父・大原誠氏が関わった大河ドラマ「元禄繚乱」を意識したかのような小ネタとか

おのれ深川貴志

4.この後の伏線をさりげなく入れておくスタイル

浪人者に因縁つけられて川に飛び込み行方知れずになった唐丸(第5話)が、はたしてどんな形になって現れるかという興味が。
唐丸に対して写楽を思わせるようなプロデュースを語っていた蔦重なだけに、もしや…

また、田沼家と佐野家の系譜を無理矢理繋げるために系図を渡した佐野善左衛門でしたが、

日光社参の件でイライラしていた田沼意次に捨てられてしまった描写もありましたからね。
この後の田沼意知狙撃に関わるだけにどうなるか。

時の実力者が暴漢により襲われ、その犯人が一部で義士とか烈士とか言われた状況がつい最近あっただけに、
どんな形で世論が佐野善左衛門を「世直し大明神」として祭り上げていったかをどこまで深掘りできるか、注目したいです。

5.最後に

「エンターテイメントの前には史実も道を譲る」という名言がありますが、

長谷川平蔵(当時:西の丸書院番士)

西の丸書院番士である長谷川平蔵が町方の捕物に加わるのか?と思いましたが、蔦重との繋がりでどうしても出したかったんでしょうね。

エンターテイメントの前には史実も道を譲る
こまけぇこたぁいいんだよ!!

そこはまぁ、エンターテイメントですから。

駆け足で振り返ってきましたが、いよいよ蔦重が吉原の忘八親父に認められ、出版界の風雲児になっていく過程を楽しみにしていきたいと思います。

長文になりましたが、ありがとうございました🙇‍♂️

安蔵




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