見出し画像

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第2話感想

【おことわり】
本文につきましては安蔵の視聴後の見解となっております。その他素晴らしいレビューをなさっている方がたくさんおりますので、そちらをお読みになられた方が良いかもしれません。

吉原に客を呼ぶ努力をしているのか?と直談判に行った先の田沼意次に諭された蔦屋重三郎
田沼意次に直談判に行ったことがバレて吉原の親父連中の逆鱗に触れ逆さ桶に三日三晩閉じ込められることに。この中で「吉原細見の序文に工夫を加えてお客様を呼ぼう」とひらめいた💡わけです。

そして当時一流のコピーライターで文筆家、発明家で本草学者の平賀源内に執筆依頼することになるわけで。


1.平賀源内のお当番回

 それにしても、平賀源内役に安田顕さんを起用しようと思った関係者に拍手を送りたいとしか言えませんでしたね。
 ここ最近、出演作に何かしら爪痕を残す怪優安田顕ここにあり という雰囲気でしたね。


「これより登場いたします平賀源内先生は、ケツ論から申し上げますと、ホ○でございます。大変な興奮状態だった場合、好みの男性を見つけると襲いかかる事がございます。決して目を合わせぬ様、ご自分の身はご自分でお守り頂きますよう、充分にお気をつけ下さい。」


今日は手が滑るなぁ、もとい前口上の元ネタの男色ディーノ選手

史実でも男色家で、女形の二代目瀬川菊之丞と深い仲だったとされる平賀源内
そんなリアルゲイな平賀源内に吉原細見の序文とは…困り果てる蔦重、しかも女装しろと迫られてしまう!
そこに現れるバディの花の井、瀬川菊之丞を思わせるような感じでやってきた!
花の井の機転もあって、ようやく筆が乗り始めた源内先生!

 そして見事な序文が完成、蔦重も版元の鱗形屋に認められて、吉原細見の編集を任されることになったのです。(もちろん駿河屋の親父にはナイショで)

 にしても源内先生の男色家という史実を、吉原の女郎に対するフラットな視点に繋げてくるとは。元祖オネエタレントのおすぎさんやピーコさんの毒舌人物評にも通じるものがあったのかなと思った次第。それこそ性的マイノリティーゆえにフラットに人間を見ることができたのかな、と。
また、後に五代目瀬川を襲名させる花の井に瀬川菊之丞の扮装をさせ、口跡まで似せるとは。これも次への布石かな。
小芝風花さんもスゲエ役者になりました。ただ、

波よ聞いてくれで弾けた感はあるな

民放で見せたスーパーバーストモードも見てみたかったかも🤭

2.森下佳子、セルフインスパイア ならびに大原拓、オヤジに挑む

 今回の吉原細見、吉原の親父連中にはほとんど相談もなく蔦重がほぼ独断で進め、親父衆にはナイショで編集を続けるという筋立てでしたが、森下氏が過去に手掛けた、佐藤健さん主演の天皇の料理番(2015)と似た感じがしましたね。
 天皇の料理番では、主人公の篤蔵が華族会館に勤めていたときにナイショで英国公使館で働き始める描写がありましたが、この下りをセルフインスパイアしていたように思えます。
 そういえば、田沼意次が蔦重にマーケティングやコマーシャリングについて説いていたのも、義母と娘のブルースでのベーカリー麦田再建についてのくだりに通じるものがありましたね。
これも佐藤健さん案件だな、オイ😅

 そして冒頭のヤボったらしい長谷川平蔵のくだりですが、大原拓監督のご尊父の大原誠監督がディレクションした1999年の大河ドラマ「元禄繚乱」第一回において、後に敵同士となる大石内蔵助と色部又四郎(米沢上杉家家老)が遊廓でドンチャカしたシーンにも重なるものがありましたね。
ちなみにドンチャカしたコンビの中の人が十八世勘三郎丈とマツケンさん 遊び慣れてますね😁

3.千代田のお城の不穏感&森下式人でなしドライバーへの布石

 一方、幕閣では銀の国外流失を懸念した田沼意次による南鐐二朱銀鋳造に対し、ベテラン老中の松平武元が公然と反発、不穏な雰囲気に。
 これからは商人も活用した国造りを唱える田沼と、従来のような米本主義を唱える松平武元の対立、実に必然と申しましょうか。
(ただ当時の年貢割付状を読むと、大部分は米納だったものの一部は金納や銭納だった部分があったことが確認できますけどね。)

前回も述べましたが、
早すぎた資本主義政治家・田沼意次→ハリウッドスターとして世界的に名を轟かせている渡辺謙さん
保守的な米本主義政治家・松平武元→日本芸能界の大重鎮・石坂浩二さん

という対比を考えたキャスティング担当、一言で言えばアタオカだな(激賞)

そして御三卿の一人、一橋治済に男子が生まれた祝いの席においても。
 自ら人形遣いをしていた一橋治済と田沼意次に対し、堂々と苦言を呈する田安賢丸(14)、そしてそれを賞賛する松平武元!

間違いなく一橋治済と田沼意次はこう思ったことでしょうね。
にしても、

・人形遣いをする一橋治済と田沼意次
・武士は遊藝より文武に励むべき!と力説する田安賢丸(後の松平定信)
・御三卿の田安家と清水家の当主が見るからにボンクラなモブにしか見えないのに、一橋治済の腹に一物感

後半の寛政の改革で江戸市中が火の消えたようになる状況や、一橋治済が事実上の大御所として家斉時代に幅を利かせる布石を今から打ってくるなんて…
さすが人でなしドライバーを得意とする
「鬼!悪魔!森下佳子!」(激賞)ですねぇ!

まぁ実際、御三卿はかなりの時期当主不在の時期がありましたからね。吉宗系徳川家の血のプールで、一般大名とは違い定府で領地も全国に点在、家臣も旗本からの派遣だったわけですからね。

加えて野暮天な遊び方をしていた長谷川平蔵が、後に江戸市中の無宿人取り締まりに当たるわけですからね…

おわりに・今回の感想

いよいよ出版の世界に足を踏み入れた蔦屋重三郎のこれからの活躍を期待させると共に、
花の井とのバディ感、さらには千代田のお城の不穏感など
今後の布石になる回だと確信しました。
来週以降も楽しみにしてます。

今回も長文になりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
次回をおたのしみに。

安蔵

#べらぼう
#大河ドラマ
#ドラマ感想文




 

 


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集