見出し画像

【試作品】氷属性の黒服ミサキ

割引あり

今度漫画バージョンで無反応氷属性ショタ系で作品を作ろうと思っていて、試作品になります。




「好きにしてもらっていいですよお客様、光栄です」

〜〜〜〜〜


キャバクラ「ルミエール」は、毎晩、まるで秘密の儀式のような独特の熱気に包まれている。外観は一見するとごく普通のキャバクラだが、その扉の向こう側では、異色のエンターテインメントが繰り広げられていた。

店内のネオンが輝くカウンターには、色とりどりのドレスを着た女性キャストたちが笑顔で接客する。その光景はどのキャバクラでも見られる光景だ。

しかし、「ルミエール」には他の店にはない一風変わった趣向がある。それは、黒服スタッフにいたずらを仕掛けるゲームだった。

通常、キャバクラと言えば男性客が女性キャストと共に過ごし、楽しいひとときを過ごす場所である。

しかし、この店では、客たちの興味はむしろ黒服のスタッフに向けられていた。店の一角では、何人もの客たちが黒服スタッフを取り囲み、あの手この手で攻撃を仕掛けている。

キャバクラの通常営業とは異なる異様な光景だが、そのユニークなコンセプトが噂を呼び、店はいつも満席だった。

その中でも一際目立つ存在が「みさき」という名前の黒服スタッフである。彼は中性的な顔立ちで、すらりとした体型、そして涼しげな瞳を持つ。

その姿はまるで女性のように繊細でありながら、どこか冷たさを感じさせるものだった。みさきは、いつも無表情で、何をされても動じない。

笑顔を見せることはなく、無関心を貫くその態度が、逆に客たちの挑戦心を掻き立てるのだ。
ある晩、常連の客たちが再びみさきの周りに集まっていた。彼らは笑い声を上げながら、新たな策略を練っていた。

「今日はみさき君を笑わせてみせる!」と、一人の男性客が宣言する。その隣にいた女性客も、「そうね、今日は私たちの勝ちよ!」と同意する。

彼らの手には、ふわふわのフェザーが握られていた。どうやら、それでくすぐる作戦らしい。だが、みさきはただ静かに彼らの動きを見つめているだけだった。

「みさき君、ちょっとこっちに来て」と、別の男性客が手招きする。彼は無言のまま、足音も立てずに歩いていく。

その姿はどこか猫のようにしなやかで、店の照明に照らされると、一層神秘的な雰囲気を醸し出していた。

彼が近づくと、男性客は彼の手を引き、軽く腕をさすってみせる。「ねえ、君って本当に無表情だね。どうしたら笑ってくれるんだろう?」と挑発するように言う。

「好きにしてもらっていいですよお客様の。」

みさきは微動だにしない。その冷たい目線は、まるで彼らの努力が無駄であることを告げているかのようだった。

別のテーブルでは、他の黒服スタッフたちが笑い声を上げている。ある客が「お金を出すから、この黒服たちをくすぐってくれ!」と注文を入れ、何人もの黒服が一斉にくすぐられているのだ。彼らは半ば嫌々ながらも、客のリクエストに応え、笑い声を上げていた。

「光栄です。」

しかし、みさきだけは異なる。彼だけはどんなことをされても、決して笑顔を見せない。その無表情が逆に、店全体の注目を集めていた。

「ぎゃはははは、お客様。そこはおやめください」

そんな中、店の一角で、黒服たちの歓声が響く。みさき以外のスタッフが、客たちの手によって体をくすぐられている。

客の笑い声が重なり、店内は一層賑やかになる。

「….」

みさきの方へ目をやると、彼は相変わらず無表情で立っていた。彼の冷静さに、客たちはさらに興味を持ち始める。

「みさき君は何をしても動じなさそうだな」と、別の客が感心したように言う。だが、それでも彼を笑わせるために、客たちは次々と新しい策略を考え出す。

「よし、もっと強い手を使うか…」と、一人が言い出し、他の客たちもそれに賛同する。

客たちはお金をテーブルに積み上げ、「シャンパンを開ける代わりに、みさき君をくすぐって笑わせよう」と提案する。

その言葉に、店内は一層の興奮で満たされる。
「これは面白い展開になるな…」と、誰かが呟く。みさきはその声を聞いても、一切反応を見せない。

彼の無表情はまるで鋼鉄のように硬く、その心の中は誰にも読めない。彼は、この店で何が起ころうと、無関心だ。

ここから先は

1,263字

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?