maxmsp max8 入門 MSP編10 フィルタ2
双二次フィルタ biquadフィルタ
biquad~フィルタは柔軟にさまざまなフィルタを作成できるオブジェクトですが使い方が難しいかもしれません。
biquad~はフィルターの係数のパラメータを設定するとさまざまなフィルタを作ることができますが係数の計算は多少、信号処理の知識が必要です。
以前行ったワークショップのbiquad~などの資料
代わりにfiltergraphなどのオブジェクトを使って係数を計算して利用します。
filtergraphは視覚的にフィルタを操作してさまざまなフィルタの係数を計算します。係数をbiquad~に送るとフィルタを作ることができます。
filtercoeff~でシグナル制御
filtercoeff~を使うとシグナルで制御できます。
cascade~
フィルターを直列に接続して複雑なフィルタを作ることをカスケード接続やカスケードフィルタと言います。biquad~を複数接続したフィルタを作るcascade~というオブジェクトがあります。
アナログスタイルの合成
これまでみてきた合成はcycle~やFMなどのモジュレーション合成でした。mspにはさまざまなオシレータがありそれらとフィルタと組み合わせます。
ノコギリ波をローパスフィルターに通してみます。
saw~はノコギリ波を出力するオブジェクトです。
lores~を使うとローパスフィルターをsaw~に掛けることができます。
ksliderはキーボードのGUIです。
mtofはmidiノートナンバーを周波数に変換します。
ローパスフィルターを通すことで高域の周波数が減らされ構成が変化します。
デジタルオシレータの実際
saw~はノコギリ波を出力するオブジェクトです。phasor~もノコギリ波ですがphasor~はどちらかというと制御用でオーディオ用としてはsaw~が良さそうです。
デジタルではサンプリング周波数の半分のナイキスト周波数を超えた周波数は折り返されて現れます。これをエイリアシングノイズといいます。
オーディオ用のオシレータのtri~ saw~ rect~は波形の形状をみると三角波やノコギリ波や矩形波と若干異なっています。
これはエイシアシングノイズが小さくなるように処理を加えてある波形だからです。これをアンチエイリアス処理と言います。
tri~ saw~ rect~はアンチエイリアシング処理されたオシレータでシンセなどオーディオ用として使いやすいようになっています。
オシレータシンク
saw~などにはsyncというインレットがあります。phasorなどに同期してphasor~が閾値を交差するたびにオシレータがリセットされ形状をもう一度描き始めます。 デフォルトでは0.5です。
これにより音色の変化を作ることができます。