陸軍撮影空中写真について 2 (1930年頃撮影の東京空中写真)
写真の撮影年が1930頃であるか、写真に写っている建築物の状況で確認を行なってみた。地図空中写真閲覧サービスで公開されている空中写真は1枚の写真に写っている範囲が狭いため、空中写真を接続した画像を作成し年代のわかっている空中写真と比較した。以下、比較した建築物。
秋葉原駅の総武線高架工事(地図・空中写真閲覧サービスM23ハC1-11)
秋葉原駅と山手線と総武線の高架箇所の写真。総武線は1932年(昭和7年)に両国・水道橋間が延伸された。写真はまだ高架の工事がされていることからその数年前に撮影されたものであることがわかる。
参考 神田における鉄道の発達 このまちアーカイブス(三井トラスト不動産)
参考 地理院地図(1936年陸軍撮影の秋葉原駅)
警視庁と内務省(戦後「人事院ビル」 工事中)(M23ロC2-39)
1931年(昭和6年)に完成した警視庁の建物が写っている、1933年(昭和8年)に完成する隣の内務省の建物(戦後は「人事院ビル」)はまだ建築中である。
参考 震災復興期から昭和前期の霞ヶ関・永田町 このまちアーカイブス(三井トラスト不動産)
参考 地理院地図(1936年陸軍撮影の警視庁周辺)
教会の修復、聖橋の完成(M23ハC2-32)
関東大震災で崩落した聖ニコライ堂の修復が完了している(1929年昭和4年11月)。1927年(昭和2年)に架橋された聖橋も写っていることから写真は昭和4年以降に撮影されたことがわかる。
本郷通りは関東大震災の復興区画整理で聖橋と共に整備された。
参考 「関東大震災」からの復興と復興建築 このまちアーカイブス(三井トラスト不動産)
参考 日本ハリストス正教会教団「東京復活大聖堂」の沿革 東京復活大聖堂(ニコライ堂)
参考 地理院地図(1936年陸軍撮影の聖橋から聖ニコライ堂)
比較箇所、国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスで公開されている陸軍撮影画像を加工
※ 国土地理院の成果閲覧サービス等の参考のリンクは2022.2時点のものです