220828 10代中盤

青いタイルの通路を抜けて
階段を上がれば地上に出る
正面にはスーパー化した酒屋
左に出れば片道1車線の通り
僕は右に出てY字の三叉路を左に
後は坂を真っ直ぐ上るだけ
坂の始め左手にはゲーム会社
更に登って左手には
今度女子高が越してくるとか
猿の如き色めき立つ同級生を横目に
僕は真っ直ぐ憤怒と暴力の魔窟まで
入学式に御礼参り 体育教師が返り討ち
役割を忘れれば平手が飛び
日に一度は何処かで喧嘩が在った
暴力は直ぐ傍に居た
親が買ってくれたモノは死守した
幸い羨まれるモノは
何一つ持って無かったから
ロッカーから消える事も無かった
西武一強に憧れて入った野球部
体力が足らぬらしく、ひたすらに走った
都心の強豪校に行った友達から
未来が無いから地域クラブに移るよう謂われ
哀しい気持ちで校舎の周りを走る日々
しまった!と想ったのは4月
辞める度量も持ち合わせず通うのもイヤになった
逃げ場を求めて遠出スるようにナった
肌の白いのから黒いの
目の青いのから朱いのまで
色んな人が街ゆく其処には身内が居て
少しだけ知識があった
いま想えば其処は僕の高校だった
色んな仕事が有って
地元には居ないような人々
何処かの歯車に納まりたかった
日銭でイイから自由にナるお金が欲しかった
時はバブル絶頂期
ケタ違いにラクで稼げる仕事だらけ
それでも将来を感じられる処に流れていった
自分で切り開いた人生なんて無かった
マリオブラザーズのように
左に走り続けたら
右から出て来られるんじゃないか
みんな意志を持って生きてるから
全く意志を持たず流されていったら
開いた差の向こう側
彼等の先とは謂わぬモノの
彼等の辺りに出て来られないだろうか
そんな事をボンヤリと考えていた

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