note37 先生元気になって戻って来てください
主治医の先生が2週間お休みするそうだ
近所の小さな病院の先生はとてもご高齢だ
(推定80歳くらい)
補聴器をつけて、白髪で、皺が深く刻まれた大きな手で診てくれる
白衣をビシッと着こなし、髪をオールバックに整え、まだまだ現役という感じだ
その病院の患者さんは皮膚科ということもあり、高齢な方から赤ちゃんまで年齢層がさまざま
でも、どんな患者さんにもいつも優しい先生
周りの看護師さんたちもいつも穏やか
この先生から発せられるマイナスイオンのような穏やかな存在感のおかげではないかと思う
そんな先生が入院&手術と聞き、とても心配になった
入り口にあった張り紙によると手術の内容は心臓にペースメーカーを入れるためらしい
ご高齢だし、大丈夫だろうかという気持ちで
自分の診察なのに私は先生の心配をしていた
いつもより長めの日数分の薬が処方された
先生はいつもと変わらずで、横にいる敏腕看護師さん(私が勝手に心の中で名付けた)が、ご迷惑おかけしますと丁寧に挨拶してくれたが
そんな迷惑だなんて全然思わないし
謝らなくて良いし
むしろ私は先生が心配だったので何か伝えようかとも思っていた
でも結果としてなにも言えなかった
私なんかが何か言ったところで余計なお世話だよな
そう思った
でも、帰ってきてそのことを旦那さんに伝えると
思ったことを伝えたら良かったのにと言われ
やはりそうだったかと後悔した
なぜなら私は病院嫌いだ
いつもかなり悪化するまで病院に行かずに我慢してしまう
でも、あのおじいちゃん先生の病院なら悪化する前に行けるのだ
病院嫌いでもすぐ行きたくなる病院&先生なのだ
私にとって唯一の病院と先生
大事な病院だからこそ、先生にはまだ元気でいてもらいたい
また診てもらいたい
そう伝えたかった
こんな世の中だからこそ
感謝や思いやりや温かい言葉こそ
伝えたいときに、伝えた方が良いと思った
クレーマーよりサンカーでありたい
おしまい