さとし ☕ 📷 🗻 Satoshi

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最近の記事

いつもの天体撮影〜画像処理 (5) 画像処理後編

今回No.5でやっと完結です。WBPPが終わったリニアデータから最後PixInsight上で仕上げるところまで説明していきます。 この記事は天体写真の画像処理をPixInsightでやり始める人を対象に書いています。またあくまで私が行う基本的な流れについて記載します。これしか方法がないわけでは有りませんし、私自身もより複雑な手順を踏む場合もあります。あくまでも初心者が一連の流れを真似していただいて、まず結果を得られるようにするということを目的にしています。 と言いながら有

    • いつもの天体撮影〜画像処理 (4) 画像処理前編

      今回のNo.4のPixInsightによる画像処理編が最終のつもりだったのですが、長くなったので前編と後編に分けます。前編では本格的な画像処理に入る前の準備と前処理について説明します。PixInsightでは前処理にはWBPP(WeightedBatchPreprocessing)というスクリプトが準備されています。 この記事は天体写真の画像処理をPixInsightでやり始める人を対象に書いています。PixInsightは天体写真の画像処理ソフトウェアとしてディファクトス

      • いつもの天体撮影〜画像処理 (3) 撮影編

        前回はこちらの記事となっています。 さて今回は「機材の話も準備の話もしたし撮るぞー」の回です。 撮影時に気にしていること、撮影の流れなど以下の内容を説明していきたいと思います。 機材の設置展開 ケーブル結線 起動&冷却(結露の話) ピント合わせ 極軸合わせ カメラ角度合わせ 撮影対象導入&画角合わせ 露光時間調整 オートガイド開始 Planモード設定 Plan撮影開始 Flat,FlatDark撮影 現地での撮影準備機材の設置展開 まずは三脚の設

        • いつもの天体撮影〜画像処理 (2) 準備編

          前回はこちらの記事となっています。 さて今回は「機材の話もしたし撮るぞー」という訳ではなく、天体撮影にあたって知っておいたほうが良いこと準備しておいた方が良いことを書いていこうと思います。 Bias,Dark,Flat,FlatDark,Lightフレームについて 天体撮影における各種ノイズについて フラット補正について マスターダークの準備 天体撮影を始めた人が最初に思う「なんでこんなに色んな種類のフレームを撮るの?」や「ノイズって色々有るの?」みたいな、撮影に

        いつもの天体撮影〜画像処理 (5) 画像処理後編

          いつもの天体撮影〜画像処理 (1) 機材編

          天体の撮影をしてみたい、画像処理もやってみたい。 という人は多いと思いますがいざ手を付けようと思ったら「何から初めていいか分からない」「撮影はできたけど画像処理は分からない」という人は多いと思います。 そういった人にとって細切れの記事ではなく、一気通貫となるような情報として参考になればと思って文章にしてみようと思いました。 あくまでも私の機材とソフトウェアを前提として、準備から撮影・画像処理のやり方を書こうと思います。 しかし基本的な考え方や流れは別の機材でも大きく変わらな

          いつもの天体撮影〜画像処理 (1) 機材編

          天体の波長とフィルターとセンサーのお話

          宇宙空間にある美しい星雲の色のお話です。 (趣味の範囲で学術分野のお話では有りません) 宇宙空間には様々な星雲があります。その星雲の色はどうやって彩られるのでしょう? 波長と色 それは遠く遠くに存在しているガスが放出する光の波長によって決まります。その主なガスの種類と波長が以下の4つです。 Hα(水素): 波長 656.28nm → 赤 Hβ(水素): 波長 486.13nm → 青 OIII(酸素): 波長 495.9nmと500.7nm →青 SII(窒素)

          天体の波長とフィルターとセンサーのお話

          ASIAIRと一眼カメラで極軸合わせをしよう

          ASIAIRは極軸合わせ(以後 PA )を支援する機能があります。 この機能を使って望遠鏡と天体用カメラで極軸合わせをするのはよくやることなのですが、これを星景写真を撮影する機材でやってみようという試みです。 使用機材一眼カメラ カメラはこちらα7IIIです。 フルサイズセンサーのミラーレスカメラです。 カメラレンズ レンズはTamron 28-200mmのいわゆる便利ズームですが、28mmでF2.8なので星景写真にも使えないこともないレンズです。 ASIAIR

          ASIAIRと一眼カメラで極軸合わせをしよう

          極軸合せを一眼カメラとSharpCapで。

          相変わらずマニアックな記事を書いております。(具体的な手順なので長いです。実際にやるとき以外は流し見で十分です。) ポータブル赤道儀を手にすると逃れられない手順、それは「極軸合せ」。 個人的には極軸望遠鏡で合わせるのも好きです。極軸望遠鏡はビクセン製・ポラリエ極軸望遠鏡PF-LIIをを使っています。覗くと↓こんなのが見えるやつです。この極軸望遠鏡は北極星とあと2つの星の位置を合わせることで正確な極軸合せを行うことが出来ます。 しかしこの極軸望遠鏡って高いんですよね。それに

          極軸合せを一眼カメラとSharpCapで。

          JWSTのRAWデータをダウンロードしよう

          相変わらず書くと決めたらマニアックなことを書きます。 JWSTといえばNASAのJames Webb Space Telescopeです。 宇宙望遠鏡の撮影したデータをダウンロードすることが出来ます。 ダウンロードファイルのアクセス先はこちらです。 ※利用規約等は各自ご確認ください。読者に規約に逸脱する行為が有ったとしても、一切の責任は負いません。 JWSTからスクリプトファイルをダウンロードする 今回は一番上にあるNGC 3324(Carina)のCalibrated

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          周辺減光とフラット補正を割り算で

          夜の写真を撮っていると周辺減光という言葉を聞いたことがあると思います。LightroomやCameraRAWを使っていると周辺光量補正という機能を使ったことがある方も多いかと思います。 ということで本記事のテーマは2つです。 Askar FMA135をフルサイズ機で使ってみる 周辺減光とフラット補正(フラット補正は割り算) そもそも1点目は自分が買う前に情報が少なかったので、じゃあ情報提供しようという考えです。ついでに2点目の話をしようと思い立ちました。 Askar

          周辺減光とフラット補正を割り算で

          星空と地上を分離する二値マスクを作る

          二値マスクって作りますか? 星景写真撮ってると作りますよね。 あとSLS使うなら作れたほうが超絶便利です。 質問や誤字指摘などはTwitterで @ysmr3104 にいただけると嬉しいです。 Photoshopを使う 大前提としてPhotoshopで作成します。 他にも二値マスクを作る方法はあると思うのですが、使ってる人が多いであろうPhotoshopで話を進めます。 また以下の点については前提とするので、分からない場合には世の中に多数あるWebサイト等でご確認くださ

          星空と地上を分離する二値マスクを作る

          Starry Landscape Stackerを簡単に使う

          皆さん天の川撮ってますか? 撮ってますよね?何枚かインターバルで撮ったあとで現像しますよね。 でも何枚も撮ったその写真は地上は止まってて、星空は動いてずれていますよね?どうしましょうか。 そんなときに便利なツールの使い方です。 ツールはStarry Landscape Stacker(以後 SLS )といってこんなことをしてくれます。 撮影した星景写真の複数の画像をスタックしてくれます 星空と地上を分離します 星空の星の位置合わせをしてスタックしてくれます 地上景を

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          StarNetをGoogle Colaboratoryで動かす

          StarNetとは StarNetって知ってますか? 星空の写真から星を取り除くツールです。しかも今どき(?)の機械学習・AIの技術が使われています。 Google ColaboratoryとはGoogle ColaboratoryとはGoogleが提供する誰でも無料でブラウザ上で、Pythonを動作させて機械学習やデータ分析に活用できる環境です。 誰でも・無料で・ブラウザ上 です。 大事なことなので2回書きました。 散々Intel MacやM1 MacでStarNet

          StarNetをGoogle Colaboratoryで動かす

          StarNetをmacOSで使う(M1 Mac編)

          StarNetとはStarNetって知ってますか? 星空の写真から星を取り除くツールです。しかも今どき(?)の機械学習・AIの技術が使われています。 もしかしたらWindowsでStarNet++を使っている人はちらほらいるかも知れませんが、StarNetがオリジナルでそれを基にWindowsユーザー向けに作られたGUIツールがStarNet++です。しかしmacOSではStarNet++を使うことができません。なので今回はStarNetを使えるようにしました。 なお今回

          StarNetをmacOSで使う(M1 Mac編)

          StarNetをmacOSで使う(Intel Mac編)

          StarNetとはStarNetって知ってますか? 星空の写真から星を取り除くツールです。しかも今どき(?)の機械学習・AIの技術が使われています。 もしかしたらWindowsでStarNet++を使っている人はちらほらいるかも知れませんが、StarNetがオリジナルでそれを基にWindowsユーザー向けに作られたGUIツールがStarNet++です。しかしmacOSではStarNet++を使うことができません。なので今回はStarNetを使えるようにしました。 なお今回

          StarNetをmacOSで使う(Intel Mac編)

          スタックするとなぜノイズが減るのか?

          ノイズ低減について主に風景写真を撮る人は気にしているかと思いますが、写真に妙にザラついたり明らかに色の違う赤や青や緑のピクセルに出会ったことがあると思います。これらをノイズと呼んでいると思いますが、このノイズを少なくする手法がいくつかあります。 ・カメラのノイズリダクション ・現像ツールのノイズ軽減 ・AIなどを使ったノイズ低減ツール ・複数画像のスタック 今回は最後の複数画像のスタックについてです。 とは言ってもスタックしてくれるツールや手順はいくらでもあるので、タイ

          スタックするとなぜノイズが減るのか?