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先日「実技力」というタイトルで、投稿しました👇

「やってみせ〜」という山本五十六の言葉は、部下を育てる要諦として有名ですが、トレーニング指導者である以上、まずは実技がしっかりとできることが大切であり、その点をストレングス工房では大事にしているということを書きました。

今回は、その補足です。
私の持論は、指導者は自身ができること・経験したこと・理解していること以上のことは指導できない、と思っています。
もちろん、指摘をしたり、見聞きしたことを伝えることはできます。
それは、特に現代のようなSNS全然の時代においては、至るところに情報があり、それらをキャッチアップして自身の指導の引き出し,バリエーションに加えることはしやすくなっていますし、時にはその情報をそのまま資料として示しながら指導にあたることもあります(実際に私もそうしています)。
また、人に聞いた話、本から得た知識から伝えることもあります。
したがって、「自身の範囲内」でしか指導してはいけないという意味ではなく、自身ができないこと、経験したことがないことも組み合わせ、あるいは借りながら、私も含め大半の指導者は指導に当たっていることに違いはありません。
そうでなければ、指導者は自分以下の選手しか指導できなくなってしまいますからね。

さて、とは言え、自身ができることが多かったり、そのレベルが高ければ高い方が「説得力」は増すと思います。
そして、やって見せることで、選手のできない・分からない・できっこない〜などの感情を払拭することができる場合があります。
つまり、心のハードルを下げる、ことに繋がるのです。

技術系の指導、例えば野球における「投げる・捕る・打つ」などは実際に見せることが(高度な技術ほど)、難しい場合があります。
(とは言え、日本のコーチはそれをしない方が多い印象にあることは事実で、野球の世界では「プロウト」(プロの素人)と呼ばれるプロ野球経験者でも、コーチでもない人が技術的な指導,アドバイスをすることが最近のトレンド。)

一方、トレーニングの分野はどうでしょうか?
「〜筋が使えてない。〜が弱い。体幹(コア)が〜、腹圧が〜、前鋸筋が〜、キネティックチェーンが〜・・・」
こんな「指摘ばかりの指導」が巷に溢れていないでしょうか。
そんなことよりも、選手ができない、上手くできない(身体で表現できない)ようなことを、バチっと一発やって見せてあげる(それがいとも簡単に、軽々しくできればなお良し)。
すると、それを見た選手は「あ、できるんだ」という思考となり、その後できるようになる、つまりブレイクスルーのきっかけとなることがあるのです。
まさに「論より証拠」なのです。

もちろん、理屈や理論、科学的根拠(エビデンス)も大切です。選手によっては、理屈・理論から入りたい、あるいは頭の理解があった方が良いという選手もいます。
そのような選手には、「こんな感じ〜」「見て学べ」的な実技一辺倒では信頼を得られないことも、これまた事実です。

結局は両方大事、バランスが大事、ケースバイケースの対応力が大事、という結びになってしまいました😅

私事では、現在42歳。若い時分より実技を磨き、見せる(魅せる)ことをしてきて、年齢が上がるほどに理詰めの指導も大切ですし、そうならなければという認識はあります。
ただ一方で、「おじさん」が動いて見せることで、選手を驚かせる、一目置かせることもまだまだしていきたいと思っています。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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