【致知 Review】2025年1月号『万事修養』
対談:藤波俊一 × 藤波朱理
『万事は勝利のためにある』 P20-28
先の2024年パリ・オリンピック
レスリング女子53kg級にて、初出場で金メダル(当時20歳)を獲得した藤波朱理(ふじなみあかり)選手と、父でありコーチの俊一(としかず)氏の対談。
恥ずかしながら、この対談記事を読むまで、藤波選手のことを知らなかった。
レスリング女子は、全階級メダル獲得で、金メダルも当たり前のように獲っていただけに、見過ごしていた。
しかし、本対談を読んで、中学2年時から公式戦137連勝でパリ五輪優勝を決めたこと、父子二人三脚で今に至ること、そしてオリンピックイヤーの今年(2024年)3月に肘の脱臼(その後手術)という大怪我を乗り越えての偉業だったこと、などを初めて知った。
小学3年〜6年まで全国大会を連覇し、負けなしできているのかと思いきや、中学1年で負けを経験。そして、その負けを機に、真の意味でレスリングに向き合い、勝つための練習をこなし、翌年にリベンジし、そこから国際大会も含めて公式戦負けなし。
勝ち続けた小学校時代を経て、一度負けも経験、また大怪我をも乗り越えての栄冠。
20歳にしてこれほどまでの経験を積み、そして対談を読む限り、人間的にも優れている、そんな印象を藤波選手に持った。
そんな藤波選手の言葉の中で、特に印象に残ったのが以下の言葉。
そして、それに関連するのが、以下の部分。
この2つの部分は、お母様の影響もあるそうで、先天的なのか後天的なのか分からないが、メンタル・スキルの一つだと感じ、だからこそ負けや逆境も乗り越えてきているのだと感じた。
翻って、私自身、これまで様々な書籍や先達からの影響、多くの指導者(監督・コーチ)との縁などもあって、この藤波選手の思考に近いものが備わってきていると感じている。
本来、ネガティブ思考寄りの性格だという自覚があったものの、(明確には表現できないが)ある時期から段々と起こる事象に対し、ポジティブに捉えるようになってきて、自分は運が良く、最終的には目の前のネガティブな事象やピンチに思える状況も「結果オーライ」になると信じられることが多くなってきている。
そういう意味で、この藤波選手の思考に触れ、我が意を得たりと感じ、またそういう選手が結果を出している(出していく)のだと改めて感じた。
今回の記事をきっかけに、藤波選手の今後を追っていきたいと思う。
JPFストレングス工房
鬼頭 祐介