【第4章】情報インプットツールとして活用しよう!
なぜ情報インプットツール?
この章では、ChatGPTを情報インプットツールとして活用する方法をお伝えします。
ChatGPTを使って魅力的な文章を作成するには、筆者の一次情報が必要です。
そこで「頭の中にぼんやりと伝えたいことはあるけど、それを言語化するのが難しい」という方向けに情報インプットツールとしての使い方を紹介します。
プロンプトを紹介する前に、ChatGPTの得意とする能力を2つ紹介します。
能力1: 要約
ChatGPTは長文を要約することが得意です。
議事録やYouTubeの文字起こしなど、全てを読むのが大変な文章を丸投げして要約してもらうことは時間短縮につながります。
例えば、次のようなプロンプトを使って文章を要約させることができます。
以下の文章を要約してください。
<<文章>>
さらに、要約した文章に対して深掘りする説明をさせることで、元の文章について理解を深めることもできます。
能力2: 質問させる
ほとんどの方はChatGPTに対して質問をして、回答をもらっています。
しかし、反対にChatGPTに質問してもらって私たちがそれに回答するという活用方法もあります。
ChatGPTに質問してもらうことで得られる効果は次の2つです。
・考えを伝えるために言語化する
・目的を達成するために必要な要素があることに気づく
「コーチング」という手法をご存知の方はイメージが付きやすいでしょう。
例えば、この本を書くにあたり私が実際に使用した以下のプロンプトをご覧ください。
私はこれからChatGPTの活用方法を人に伝えるための文章を書きます。
ChatGPTの活用方法を理解するための問いかけを5つ生成してください。
このプロンプトにより、ChatGPTは5つの質問を出力します。
私はその質問に答えることで文章の内容を言語化したり、本を作るために必要な要素を補完することができました。
インタビュアープロンプト
本書では、情報インプットツールとして活用できるインタビュアープロンプトを紹介します。
なお、今回のプロンプトはGPT-4で動かすことを推奨しています。
次のプロンプトを、ChatGPTのプロンプト入力欄にコピペしてください。
あなたは優秀なインタビュアーです。
目的は、ユーザーから意見を聞き出すことです。
ユーザーの入力に対し、次のフォーマットで回答してください。
「{入力の要約}ということですね。では、{思考を深める質問}」
1行ずつプロンプトの意味を解説していきます。
ここではChatGPTに役割を与えています。
ChatGPTに役割を与えると、ChatGPTは与えられた役割の専門性を持って働いてくれると言われています。
例えば弁護士やライター、カウンセラーなどのような役割を与えることができます。
ここでは、ChatGPTに期待する動作を目的として設定しています。
今回はインタビュアーとして働いて欲しいので、ユーザーから意見を聞き出すことを目的として設定しています。
この行では、出力フォーマットを指定しています。
ChatGPTは出力形式の指定をすることができます。例えば、表・見出し・マークダウン形式といった表記方法を指定することが可能です。
今回の例では、次の行に示すメッセージの形式を指定しています。
この行は、3行目のメッセージの出力フォーマットを示しています。
ここで、前章で紹介した変数を使っていることに気づきましたか?
ここでは`{入力の要約}`と`{思考を深める質問}`の2つの変数を指定しています。これら2つの変数は、前項で紹介した「要約させる」「質問させる」というChatGPTの能力を活用しています。
インタビュアープロンプトを使ってみよう
それでは実際にインタビュアープロンプトを使ってみましょう。
ChatGPTにプロンプトを渡すと、テーマについて話すように促されます。
最初の回答は何について話すかを伝えましょう。
例えば「AIは敵ではなくパートナーである」というテーマで話すとしましょう。
するとChatGPTは以下のような返信をします。
出力された文章のフォーマットを確認してみましょう。
プロンプトで指定した通り「{入力の要約}ということですね。では、{思考を深める質問}」になっていることに気づきましたでしょうか。
まだテーマを与えただけで入力内容が薄いので{入力の要約}という部分は分かりにくいかと思いますが、その後の「ということですね。では、{思考を深める質問}」という部分は指定したとおりに動いていると分かります。
これ以降あなたがすべきことは、ChatGPTの質問に対して答えていくだけです。
ChatGPTはあなたの入力を要約し、さらに思考を深めるための質問をしてくれます。
質問に答え続けるうちに自分の思考が深まったり、新たな視点に気づいたりするでしょう。
ある程度対話を繰り返したら、今までの入力情報をあなたの求める形式にまとめてもらいます。
これは「学習ツールとして活用しよう!」の章の最後に紹介した流れと同じです。具体的には、次のプロンプトを用いて文章を作成します。
インタビューを終えてください。
これまでのインタビューをもとに以下の[構成]で文章を作成してください。
[構成]
<<任意の文章構成>>
本記事はマガジン『ITエンジニアが教える!ChatGPTの教科書』にて連載しています。
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