Twitterでバスケ観戦者に課題を聞いてみたら宝の山が集まった
先日、Twitter上でバスケ観戦者の皆さんに対してヒアリングをしてみたところ、ものすごい数の素晴らしいコメントを頂きました。過去にもこのような質問を投げかけることはたまにあったと思うのですが、なぜまた唐突に聞いてみようと思ったのかを説明します。
その日にYouTubeライブを使って天皇杯のライブ実況解説をしてみようという実験をしたのですが、試合の見所など普段から思っていることなどをつらつらとお話していたところ、「選手視点のコメントは斬新です」とか「そういった切り口で観ているんですね」というコメントが結構多かったのです。そして、僕もそっくりそのままお返ししますという感じで「全く同じ感想」を抱いたのです。
そりゃ選手とファンでは観ているところが違うのは当たり前だよと言われるかもしれませんが、その違いを実際にライブ空間で体感することは熱量や温度を肌で感じることに等しく、双方向によるコミュニケーションで得た「リアル」なフィードバックでした。
と、直感的にこれはバスケの現場に落とし込めることが山ほどあるなぁと思いまして、SNSを通じて出来ることは「アスリートの価値をファンに提供すること」であると前回のブログで語った手前、まずは自分で実践してみようと思ったのです。
そこで、アスリートという立場を活用して色々な意見を集めてみたのですが、その意見に対してアスリート(+小さな経営者)の視点をスパイスとしてミックスし、皆さんに役立つ成果物として料理するまでが僕に出来る役割かなと思いまして、まだ自信も無いままnoteを書き始めております。
なお、ファンマーケの専門家であるBOKURAの宍戸さんも「宝の山」と表現したように、皆さんから頂いた生の声につきましては、特に味付けせずとも美味しく食べられると思いますので、BリーグおよびBクラブのフロントスタッフの皆さんも是非ご賞味ください!
さて、それでは僕なりの分析と考察をしてみたいと思います。
まず頂いた生の声を「カスタマーが解決したい課題」と名付け、加えて下記2つの観点を追加してエクセルに並べてみました。
・その課題は「いつ」感じるものか?
・その課題は「誰(何)」に対して感じるものか?
大したことはしていないのですが、今後ペルソナ分析をして、カスタマージャーニーマップ(※)でも作ってみようなどといった場合の下地の下地くらいにはなるよう肉付けした感じです。
(※聞いたことが無い方は、用語検索すれば容易に理解出来ます。)
いかがでしょうか?(とても原始的に集計しているところに努力の跡がみられます。)
頂いたコメントの大半である120件少々をピックアップして、スクショはそのうちのごく一部なのですが、僕はこれを読むだけでもとても勉強になりました。ここでも、選手から見えている視点とファンの皆さんから見えている視点はだいぶ違うのだなという感想です。
例えば、選手の移籍に伴うグッズやファンクラブ特典の時期的なタイミングで苦労される方が結構いることや、他クラブ含む複数試合をハシゴ観戦したいニーズがあること、友人を誘う際のシチュエーションで不便さがあること、アウェイゲームに関する環境が整っていないことなど、この辺りは言われてハッとさせられることも多かったです。
もう一枚、参考資料としてどの項目がどのくらいの割合だったのかカウントした表のスクショを貼り付けておきます。
いつ?に関しては、質問的には当然のことながら観戦時の課題が多数でしたが、チケットを購入してから会場に向かうまでに課題を感じている方も23.1%いらっしゃいました。何に?に関しても、半数弱の44.6%の方が観戦環境の改善を期待しており、会場アクセス、試合日程、チケットに関するコメントもそれぞれ全体の10%ほど頂きました。
(複数回答も可ですし、アンケート形式も自由なので厳密な計測の仕方ではないことは重々承知しておりますので細かいツッコミご遠慮ください。笑)
時系列の行動分析に関しては、もう少し詳細な行動パターンを想像してみると面白いと思いました。チケットを買おうと思ってから実際に会場に行くまでの間に、例えば友達を誘ったり服装を決めたり、差し入れを買うために事前にショッピングをしたり、様々なアクションを起こしているでしょう。また試合会場を後にしてから家に帰るまでの間にも、他のファンの方々とお酒を飲みながら試合を振り返っているかもしれませんし、SNSに感想を投稿しているかもしれません。その一連の行動の全場面において、大なり小なり「課題」が見つかると思いますので、試合観戦者の課題の質を高めるためにはもう少し深掘りしていく必要があります。
なお、このエクセルでは右の列に、課題に対する「痛みの大きさ」「痛みを感じる人の数」「解決策」という列も作りましたが今回は公開しません。すぐには解決することが難しい課題から、低コストで出来てしまう課題も両方あると感じました。少なくとも、僕が経営するTOKYO DIMEの現場では出来ることからすぐに実践していこうと思います。
さて、まとめます。
今回のご意見募集によってとんでもなく有益な情報が山のように集まってきたものの、回答サンプルが「コアなファン」に偏っているだろうことも考慮しなくてはなりませんので、ビジネスの現場に活かすためには注意が必要です。また、「選手とファンで観ている視点が違う」というところから始まったアンケートなので、今度は逆に選手会を通じてBリーガーたち全員に課題を聞いてみると結果の対比が面白いものになるんじゃないかなぁと思いました。
最後になりますが、実は皆さんが課題と感じていることの中には、情報が不足しているだけで「単なる誤解」であることもいくつかありました。その点については正確な情報提供だけで実は課題を解決できたり、課題の痛みを和らげることが出来ると思いましたので、今後も僕のYouTubeチャンネルやVoicy等でバスケファンの皆さんやスポーツ業界で働く皆さんのお役に立てる有益な情報を発信していこうと思いますので、ぜひチャンネル登録をして次回をお待ちください。(よし、きれいに宣伝決まった。)