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「焼きそばUFO様」〜勝手にラブレター〜

前略

焼きそばUFO様。
私が貴方と初めて会ったのは小学生の頃。

7人家族で両親共働き、
当時、土曜日は学校が午前中で終わりだったので

終わってからダッシュで家に帰る時、
私の口の中は既に貴方を欲しがり
またダッシュで上がった体温と相まって

家に着く頃の私の体は火照りに火照っていました。

お湯を沸かす5分は2時間ほどに感じ
お湯を入れてからの3分は10時間ほどに感じ
アインシュタインに教えてもらわずとも
時間とは伸び縮みするものだと知っていた私です。

毎週、土曜日は99%UFOだったので
あまりの距離の近さに
一度、貴方の元を去ってしまった事がありました。

今思えば、
倦怠期だったのか、それとも当たり前の幸せに
鈍感になってしまっていたのかもしれません。

そうなると、
貴方の縮れっ毛を見るのも嫌になったこともあります。
湯切りを横着にして焼きそばスープみたいにして、
貴方を弄んだこともあります。

「あの時はごめんなさい」

貴方の魅力を再確認したのは大人になってから。
貴方が醸し出す「かほり」にドキッとし、
また、他人に食べられる貴方を見て
背筋にゾクゾクっと電気が走ったものです。

それからというもの、色々な貴方を試しました。

気づけば貴方はストレートヘアになっていて、
そんな貴方にお湯を注いだまま放置したり
かと思えば、早々にお湯から解放したり

どんな貴方も最高でした。

私が一番驚いたのは、
貴方をカップから引き離し
お湯の沸いた鍋に沈め調理したときのことです。

湯上がりの貴方は
いつもの腰付きとは別人で、
私の歯を押し返す力強さにまた一層虜になったものです。

焼きそばだからといって、
フライパンの上で調理したのは唯一の過ち。
瞬く間に貴方はボロボロになりましたね。

そんな時間も今思えば貴方との絆を強める時間だったのかもしれません。

今ではいつも開ける戸棚の中に貴方がいないと
いてもたっても居られず
すぐに家族市場に駆け込む始末。

貴方のソースをボトルいっぱいに注いで欲しくもなりますし
のりたまサイズの貴方のふりかけが欲しくもなります。

もうペヤングのところには行きません。

散々、寄り道した私だから
貴方の魅力は誰よりも知っている。

共に生きよう。

〜日清焼きそばUFO〜



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