IKEAのLACKでEnder-3 V2のエンクロージャーを作った
ABSをプリントしたいのだが
3Dプリンタ(Ender-3 V2)を買ったので、ゆくゆくは車の中で使う物を作りたいと思っています。
調べてみると3Dプリントでよく使われるPLA樹脂は夏の暑さですぐ変形してしまうので、ABSじゃないと厳しいようです。
ABSは温度変化での収縮が激しく、エンクロージャー(3Dプリンタを覆う囲い)で周辺の温度を安定させる必要があるとのこと。
とりあえずABSフィラメントを買って、プリンタにごみ袋被せてワンチャンいけんか??とやってみたもののダメだったので、
じゃあ、作るか!とエンクロージャー製作にチャレンジしてみました。
どうやって作る?
要は「3Dプリンタを覆えればヨシ!」なので覆えれば何でもOKなわけです。
覆いのフレームになる材料の例は
・100均のワイヤーネット
・木材
・アルミ押し出し材
・既存製品の流用
などなど。
覆う材料は
・ビニール袋
・アルミ蒸着シート
・スタイロフォーム
・アクリル板
・ベニヤ板
などが候補に挙がってきます。
安く済ませるなら100均のワイヤーネットとかで良いですが、生活空間に置くのである程度ビジュアルも拘りたかった私はIKEAのLACKを流用する事にしました。
↑Amazonのは代行業者なので若干高めです。IKEAで買えば安い時は999円です。(Web通販もあるよ!)
まぁ、なんでIKEAなのかというと、IKEAのLACKでエンクロージャーを作るってのが海外で割と定番化してるんですね。
画像検索すると色んな例が出て来ます。
Ender-3 Pro用で解説している記事があったので、これに従って作る事にしました。
部品をプリントする
LACKの足では短すぎて3Dプリンタが収まらないので、下駄を履かせる部品が必要になって来ます。
thingiverseに色んなモデルがあるので、ダウンロードして出力していきます。
上記の記事で紹介されていたモデルを使ってその通りに作ってはみましたが、正直あんまりおすすめなモデルではないです。
前面だけ扉が開閉する仕組みですが、メンテナンス性が最悪です。
一応上段のLACKは下段に乗ってるだけなのでガバッと取れるんですが、私の場合上段側に照明やコントロールユニットを取り付けたのでケーブル類を抜かないと外せません。
もしこれからLACKでエンクロージャーを作ろうとしているなら、メンテナンス性を考慮して作った方が良いです。
↑足の延長部品を印刷してるところ
アクリル板を調達する
周りを囲む板ですが、手軽にベニヤ板とか、断熱性重視でスタイロフォームとかって選択肢もありますが、やはりかっちょ良くアクリル板を使いたいところ。
Webから発注できるお店がいくつかありますが、評判と安さではざいやさんに頼みました。
しっかりした梱包で届きました。送料込みで約6500円!
この時点で、Creality純正エンクロージャーの値段を超えました。後には引けない。
アクリル板の隙間を埋める
アクリル板の端っこに少し隙間が出来るので、モールで塞いでみました。
前後比較をしていないのでどれぐらい効果があったかは…??
電源をどうやって移設するか問題
エンクロージャーで囲ったとき、当然庫内の温度が上がるので電子部品にあまり良くないという話で、電源を外部に移設するのが無難なようです。
電源をLACKに固定するブラケットを使うのですが、記事に紹介されているのはEnder-3 Proの電源用でV2用ではありません。
探してもV2向けの例がなく、しょうがないので作りました。
(2020年時点の話なので、今ならもっと他のがあるかもしれない)
ちょこちょこダウンロードされた通知は来てるんですが、実際作ったよって人は見たことないので、もし使ってくれた人がいたら教えてくれよな!!!
電源固定ブラケットだけじゃなくて、メインスイッチや電源ケーブル用ソケットのブラケットも作りました。
天井に照明を仕込む
エンクロージャーで覆うと、庫内が真っ暗になります。
なので照明はマストです。
LED照明買って来ても良いんですが、安く上げたかったので24VのLEDテープを買って、3Dプリンタの電源から拝借する事にしました。
電源直結だと3Dプリンタ本体のON/OFFに連動してLEDが点くので、消せるようにスイッチをかまします。
配線が若干難しいですが、レビュー欄で解説してくれてる人がいるので参考にすると良いです。テスターもあると楽ですね。
メモ用に撮影した写真があったので貼っておきます。
(ちなみにこれはLED点灯時にスイッチが光る配線です)
で、天井に貼り付けて配線してOKと。
スイッチは全面の端っこに付けました。光る!カッコいい!!(単純)
ディスプレイを外に付ける
操作の度に扉を開けるのもナンセンスなので、外に移設します。
ブラケットはthingiverseから拝借しました。ありがたい。
ちなみに配線の長さはギリッギリです。結構無理やり。
もっと長いケーブルが手に入るなら延長して裏から回してくる方がカッコいい気がします。
後に、メインボードを変えてKlipperを導入したので、ディスプレイはなくなりました。笑
その他諸々
扉のキャッチに使う磁石や温度計はAmazonやAliexpressで買いました。
キャッチは設計変更してオリジナル品に置き換えました。
完成
元々納戸に置いてたのを今は書斎に移設して使ってます。(ジャストフィットw)
真っ黒にしたので他の家具とも違和感なく馴染んでて良いですね。
肝心のABSのプリントはめちゃくちゃ反る事はなくなったものの、油断すると層が割れたり、やはり曲者感は強いです。
総費用としては1万円ちょっとぐらいかな?
まぁ~これが高いか安いかは微妙なとこですけど、自作した満足度は高いですね。