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【SaaS等】サブスク(定期購入)型の財務モデル・事業計画フォーマットを無料公開します

こんにちは、原沢陽水です。このnoteでは、サブスク型のビジネスを運営する際、いくつかの数値を打ち込めば損益計算書が自動的に算出されるフォーマットを無料公開します。

昨今、サブスクリプション型のサービスが増えました。要因としては、KPIが明らかであるため予実を立てやすく、企業の成長率が投資家サイドから可視化されやすいということが挙げられます。

また、売上が積み上がる形のストック型ビジネスは、一度成約してしまえば解約するまでお金が継続に入ってくることから、利益が積み上がりやすく、ビジネスとして美味みがあります。

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事業を作ろうと考えたことがある方は誰しも一度はサブスクリプション型のビジネスモデルを考えたことがあるかと思いますが、スタートアップの世界ではCACとLTVが推奨される形で成立すれば、とりあえずOKとされています。

しかし、あくまでCACとLTVによってビジネスが成立するか、という考えはスタートアップの世界でこそメジャーですが、金融機関からするとそこまで重要ではない情報です。そのため、資本コストの高い世界で注目されている指標のみに集中するのは合理的でないと考えます。

何百年も歴史のある損益計算書や貸借対照表にどう反映されるかといったことにもっと興味を持っていいと考えています。

サブスクリプション型のビジネスモデルはキャッシュインとキャッシュアウトのタイミングは読みやすいですが、顧客のニーズに合わせてカスタマイズをしたプロダクトをアップセルとして販売して早期に黒字転換を目指したり、クロスセルで単価の高いものを販売し、一旦キャッシュフローを+にしていくことでバリュエーションを上げる、といったことを戦略の一部として選択可能です。

いわゆるスタートアップの中でOKとされている指標のみに注目することは、近視眼的だと言わざるをえません。そこで、サブスク型のビジネスを運営する際、いくつかの数値を打ち込めば損益計算書が自動的に算出されるフォーマットを作成しました。

サブスク(定期購入)型の財務モデルフォーマット

財務モデルを作る練習を兼ねて、KPI・年次成長率・費用を設定すれば自然に損益計算書5年分が自動的に算出されるというシートを作成したので、このnoteで無料公開します。

CAC・LTVだけで計算するとユニットエコノミクスは出ますが、最初は赤字でその後は黒字、といった典型的なJカーブを描くパターンを前提としすぎています。基本的には負債コストよりも株主資本コストの方が高いことが多いため、経営者としては必ずしもエクイティによる調達が正義だとは言えません。

早期に黒字を出して融資による資金調達で事業を伸ばし、どこかのタイミングでエクイティでの調達をして一気に加速させるというパターンも非常に美しく、そういった選択肢を残しておくことが合理的です。(実際、mailchimpなどは創業時から黒字を積み重ね、VCからの調達をそこまで行わずにユニコーンになりました。)

以下のフォーマットでは、複数の変数を決定すれば損益計算書が自動的に弾き出される、という物です。これだけでは変数設定がやや簡単ですが、事業計画を練る前に試算するにはよいかと思います。特にシード期の予測財務諸表は絵に描いた餅になりやすいため、これくらいの変数でなんら問題ないでしょう。

フォーマットのURL

フォーマットの編集方法

次に、フォーマットの編集方法について説明します。これは全員共通ですが、シートを直接編集できるようにはしておりませんので、必ずコピーして自分が用意したスプレッドシートもしくはエクセルに貼り付けてください。

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まず、画像の下の方に「input」と「損益計算書」に注目してください。このシートでは、「input」で元の数値を入力し、その情報を元に損益計算書が算出されるというものです。もちろん、ユニットエコノミクスも出そうと思えば数字を編集することでだせます。

青い文字が自分で編集する変数、黒い文字は自動で算出される値ですので、青い文字のみ編集してください。

このシートの場合は単価3980円の商品で、登記前後で100名の顧客がいる例をサンプルにしています。個人事業主でSaaS開発してたのがうまくいきそうだから法人化して伸ばしていくぞ、みたいなパターンを想定しています。

プロダクトによって営業が強い組織であるべきか技術が強い組織であるべきかは分かれると思うため、そこは適当に設定しました。

サンプルだと、以上のような損益計算書が弾き出されます。赤字のところは赤い文字で記載されるため、何期目まで赤字を掘るのかを計画上で明確にわかります。

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このモデルを元に少し数字を編集すると、チャーンレートが何%下がれば黒字なのか、あるいはCPAがどれくらいまで下がればもっと黒字に到達するのか、といったことを考えられるようになります。

サンプルのため、変数自体はそこまで大きく設けていませんが、フェーズによって現状の答えが出ているものに関しては、サンプルを編集してさらに確度の高い仮説を導き出したり、次の施策実行の補助になれるかと思います。

まとめ

新しく事業を作る時などに役立てていただければ嬉しいです。自分で事業計画練る際に気になる点などあればTwitterもしくはcommand@shorbai.comまでお願いします。

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