企業におけるD&I推進の経済合理性
こんにちは、モノバンドル株式会社で代表をしております、原沢陽水です。昨今、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)という言葉が企業の大小を問わずに注目がされて久しいですが、企業においてD&Iは会社をよく見せるためだけのものではなく、成長戦略のカギとなる可能性があることについて書きます。
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)とは
D&Iについての説明は様々な記事で記載されているため、当記事では引用だけにします。
2つの記事の中から引用させていただきましたが、上記のようにバイアスを取り除いてイノベーションを促進しようというものです。しかし、女性の比率を増やすことのなにがイノベーションにつながるのか、その検証可能性や実例についてはほとんど論じられていません。儲かった会社が余裕が出てきたからやれるんだろうという意見も聞いたことがあります。
次の段落から、なぜD&Iを推進することが企業の経済合理性に直結するのかということについて記載します。
D&I推進がもたらす経済合理性
基本的に「価格」があるものにはほぼすべて「プレミアム」が付きます。プレミアムについては引用で紹介します。
「価値以外の上乗せされた代金」のような解釈になります。これは商品だけでなく人の給料などにもかかります。
例えば、とあるIT企業に2人の人が同じポジションに転職をしてきたとき、1人は目立った経歴がなく、もう1人が大企業出身の場合、部長の役職をやっていたというだけで「XXという商社の部長だったから」という理由で報酬が上がることがあります。しかし、同じポジションであるため、どちらが入っても期待されるパフォーマンスは変わりません。
企業側は求める価値は同じでも「XX出身だから安心できそう」など様々な要因で部長を採用した場合「プレミアム」にいくらかの金額を払っていることになります。
これがあらゆる職種で起こります。「学生だから」「女性だから」「リモートだから」「若いから」「友達だから」など、様々な理由でプレミアムが発生します。このプレミアムがD&Iを推進する企業の優位性になります。
私は見たことがありませんが、企業が要求するパフォーマンス通りに働いている人が「女性だから」という理由で報酬が低く設定されていることがあるようです。
つまり「女性」という提供価値に全く関係のないラベルによってマイナス方向にプレミアムが発生していることになります。
D&Iを推進する企業は、単純にマイナスプレミアムを取り除いた報酬で彼ら/彼女らを採用することだけでプレミアムを乗せずに期待するパフォーマンスを出せる人材の採用ができることになります。
このプレミアムを活用した採用戦略は、差別をする企業が存在し続ける限り、D&I推進企業は差別を行う企業(提供価値と関係ない箇所でマイナス方向のプレミアムを発生させる企業)から搾取する形で戦略的な優位性を保ち続けることになります。
領域にもよりますが、企業の大小を問わず活用できる戦略であるため、特にITの分野では活用できる会社が多く存在すると考えています。
モノバンドル株式会社は管理職の50%が女性でありますが、引き続き、積極的にD&Iを推進します。