【12】 勇者と魔王 1
ガーネット街
太陽が柔らかくツンドラに照り返し、眩しさを大量生産している。
資源豊かなこの街は食堂が特に繁盛していた。今日もーー
端正な顔立ちをした女性が注文をしている。年齢は20手前頃だろうか。
「こんにちは~♪」
女性のお手伝い妖精が元気に挨拶した。
「おばちゃん、アユの塩焼きとワカサギの天ぷらちょーだい。あ、あとシーフードカレーも。全部10人前で」
淡々と言いながら視界を遮る黒い髪を細い指先で耳に掛けている。その黒い髪は元々白いであろう肌を更に際立たせている。
「いつもありがとねマーシャ。今日はこれから行ってくるのかい?」
話ながらも手際よくアユを袋詰めにしている。
「うんー。今日は天気も良いしねー」
マーシャはお手伝い妖精の持つ手提げ袋に目をやりながら答えた。中にはキラリと光るものが見える。
「はい!お待たせー!気を付けてくんだよー」
にっこり微笑みながら大きな袋を店の前まで持ってきてくれた。
「ありがとう」
終始笑顔のないマーシャだったがおばさんは慣れているのかニコっと見送った。
とある場所
辺り一帯焼けた跡や、モンスターの足跡、そこら中に転がっている何かの骨。
そう、ここは焦土。モンスターと勇者と魔王達が集う場所。
ミスリル製装備一式に身を包んだ青年が地図を見ながら歩いている、
彼の名前はアイン。彼は強い勇者に憧れ、この職業に専念していた。
「この辺りのはずなんだけどなー」
モンスター達は元々ある洞窟に住み着いたり、巣を作ったりする。それは大きな木の中だったり、何かを重ね合わせたものだったり様々だ。
今回はーー
「アイン!前方に何かあるよ!」
彼のお手伝い妖精が上空で叫んだ。
「おっ! あれは洞窟だな?」
青年は警戒しつつ洞窟の入り口に近づく。
ズーーン……ズーーン……
奥のほうから音がする。
(いるっ! ここで間違いない! 仕掛けを準備するか。ん? これはビー玉? なんでこんな所に?)
きれいなビー玉が数個転がっていた。
(ま、いいか。準備準備)
巣を離れ"獣肉の燻製"を10個程積み上げる。暗い洞窟では分が悪い。
ドラゴンを誘き寄せ、尚且つ不意急襲的に攻撃する事で安全に追い払う事が出来る。
勇者達の常套手段だった。
モンスター達は様々な所に住み着く。時には街に近い場所にも。そういった時は勇者達が追い払うのだ。
獣肉の燻製を設置し、岩の陰に潜む青年と妖精。
「アイン、来たんじゃない!?」「あぁ、わかってる」緊張が走った
ドシン…ドシン…ドシン…ドシン…ドシン…ドシン…
洞窟の主が現れた!
(デカイ!!! いけるか!?)
大きなドラゴンは1度辺りを見回し、鼻をピクピク動かした後、獣肉の燻製のほうに向かった。
アインは、
ーー覚悟を決めた。
店主 アイン
創業108日目
有名道具屋で信頼の勇者
読んで頂きありがとうございました!
登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
気になるレシピがあれば実際に作って頂いても構いません(作ってもらえたら飛んで喜びます)
作中に出ても良い店主募集中。
店主名、オーナー番号をTwitterでDM下さい。
普段のプレイスタイル等入れてもらえたらなるべくそれに沿って書かせて頂きます。
登場する話は事前にDMで確認して頂いた後掲載させて頂きます。
各物語のイメージ画像募集します!募集させて下さいー!
物語を読んでみて浮かんだイメージがあればそれをお願いします。
又は次の物語の画像書いて頂けるというのであれば掲載前に物語をDMで送信します。
もしくは既にオリジナルのキャラ等の画像あれば、その画像を元に物語を考えます。
名前、職業種の設定あれば教えて下さい。
提供して頂いた方のお名前はその物語内の1番上に紹介させて頂こうと思ってます。
例「イメージ画 ~様から提供」みたいな感じで。
よろしくお願いしますー!