[ 妖怪 ] 頭は人,体は牛の妖怪「件」。地震や戦争など未来を予言するという。
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頭が人間,体が牛の妖怪「件」。生まれて数日しか生きることがないが,生きているうちに地震や戦争など未来を予言するという(木村, 2005)。たとえば,長崎市では,飼牛が件を産み,生後11日になったときに,「明治37年に日本はロシアと戦争をする」と予言したそうだ。確かに明治37年には日露戦争が起きている。一方で予言が外れることもあり,昭和18年,岩国市で産まれた件は「来年の4月5月には戦争が終わる」と予言したそうだが,戦争は昭和20年の8月まで続いてしまう。
この件,木村 (2005) によれば,岡山発祥の妖怪らしい。もとは牛頭天王(ごずてんのう)という祇園精舎を守る神様。名前のとおり,頭が牛の神様だ。江戸時代,農業に力を入れた岡山藩では牛を飼育することを奨励し,村ごとに牛頭天王を祀る神社を作らせたという(木村, 2005)。
岡山では牛が人間に非常に近しい存在だったようだ。そういう土壌から件が生まれたのではと木村 (2005) はいう。
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