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1月7日は,天智天皇が生まれた日
1月7日は,天智天皇が生まれた日です。
天智天皇は,皇子時代は中大兄皇子と名乗っていました。蘇我入鹿を暗殺するクーデータを起こした人物です。
このひとはとても興味深い。蘇我入鹿を暗殺し,蘇我蝦夷を自殺に追い込む。その一方で,蘇我氏とその後も協力しながら,改革を進めていきます。妻も蘇我の出でした。今のわたしたちは淡白で嫌いなら嫌い,好きなら好きで,仲間とだけ一緒に活動する傾向がありますが,天智天皇は一筋縄ではいかない,かなり肝の据わった人物のようです。
当時の大国,唐と新羅の連合軍と朝鮮半島で海戦をし敗戦,その数年後には新羅に使節を送っています。天智天皇はかなりしたたかです。
今のひとだと,あの国,嫌い,口も聞きたくないという傾向がありますね。ヘイトスピーチなんかもその一種だと思いますが,天智天皇から見たら,ずいぶん子どもじみた,大きなひとだなとお思いになられることでしょう。
暗殺に戦争と興味が外へ外へと向く人なのかなと思えば,歌なんかも詠んでしまう。
秋の田の かりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ(万葉集)
外向性と内向性という同居するはずのない性向をうちにもっていたひとだったのでしょうか。かなり複雑な人間だったように思います。
1094年に編纂された扶桑略記では,天智天皇は山中で行方不明になったとあります。探してみると靴だけ落ちていたという,なんとも不気味なことが書かれてあります。50年に満たない,まさに波乱に満ちた人生でした。複雑な人間関係のなかでかなり消耗したことだろうと思います。生だけでなく,その死までもすっきりとしない天智天皇,わたしにはとても魅力的な人物に映ります。
これは大河だな・・・
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