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[ 中学の数学 ] 文字式を理解しよう。2a-a=2 だと思うひと,読んでみてください。
よくある間違い
$${2a-a}$$ を簡単にすると次のようになります。
$$
2a-a=a
$$
あれ,$${2a-a=2}$$ じゃないのかなと,思った人いませんか?
そのひとは次の式を計算してみましょう。
2 x 10 -10 は?
$$
2 \times 10 -10
$$
$${2 \times 10}$$ は 20 です。$${20-10}$$ は 10 なので,答えは 10 ですね。きっと,あなたの答えも 10 になっているでしょう。
あなたはさきほどの問題,$${2a-a}$$ で答えを $${2}$$ としました。おそらく,$${a}$$ と $${a}$$,同じものがあったので消し合って,ゼロにしたのでしょう。
ここで先ほどの $${2 \times 10 -10}$$ の答えを $${2}$$ だというひとがいたとします。なぜ $${2}$$ になるの?とあなたがそのひとに尋ねると,10 と 10 同じ数字があるので,消し合ったんだと答えました。
あなたはそのひとに $${2 \times 10}$$ があるけど,これは真っ先に計算しないといけないルールになっていると話しました。$${2 \times 10}$$ は 2 と 10 がばらばらに並べてあるのではないのです。
$${2 \times 10}$$を真っ先に計算しないといけないのでしたら,それは 20になります。$${20-10}$$ で答えは 10 となります。そんなふうにあなたはそのひとに計算の仕方を教えるでしょう。トランプの神経衰弱では,カードがどの位置にあっても,ふたつのカードが同じ数字だったら取り去ることできます。しかし,数式はそうではないのです。
それでは 2a-a は?
それでは,$${2a-a}$$はどうなんだ。まず $${2a}$$ をみます。これは $${a}$$ が2個あるということです。2 と a がバラバラに置いてあるわけではありません。この式は $${a}$$ が2個あって,そこからひとつ $${a}$$ を取り去ったらどうなるかという式です。$${a}$$ が1つ残りますね。
間違った時,自分がどこで間違っているのかを自分で見つけることはとても大事なことです。その時間がない場合はよくわかっている信頼できる人に聞きましょう。ひとの意見を素直に聞くことが勉強を進めるうえでとても大切なことになります。
より学びたい方
わたしが好きな先生です。
中学2年生くらいから読むことができます。
遠山啓「数の不思議」(SB Creative)
小学校6年生の算数の知識があれば,読み始められます。
吉田 信夫 (著)「ガウスとオイラーの整数論の世界」(技術評論社)