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「言葉は両刃の斧」:8月31日は,方広寺鐘銘事件があった日。

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概要 このページでは「今日は何の日?」をテーマに,今日生まれたひとや,今日あった歴史的出来事について書いていきます。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)

今日は何の日

8月31日は,方広寺鐘銘事件があった日。

豊臣秀頼が方広寺に収めた鐘に,次のような文言がありました。

国家安康 四海施化 万歳伝芳 君臣豊楽

国が安泰で,みんなが健康でありますように。すべての土地で徳政が行われ,平和な世の中になりますように。永遠に徳があり続けますように。平和で安定した状態を願う言葉です。君主と臣下がともに豊かになりますようにというような意味です。

家康が問題にしたのは「国家安康」「君臣豊楽」の部分ですね。「国家安康」の部分は家康の名前がふたつに分けられており,「君臣豊楽」の部分では豊臣の名前が続いている。これは家康が衰えて,豊臣家が再び力を取り戻しますようにという呪いであると家康は考えたわけです。

こじつけ?ではないでしょう。一種の呪詛ではないかと思います。いやいや,たまたまですよと言われたとしても,お寺の鐘にこんな言葉が刻まれていたら,やはり気分はよくないでしょう。鐘はしっかりと破棄されています。

この事件の教訓

他人を攻撃する言葉は自分に返ってくる。まさに両刃の斧ですね。キケロの激しい演説と同様,何倍にもなって自分に返ってくる。多様な意見がゆるされない社会では沈黙が金であるのはたしかでしょう。それでは今の社会はどうでしょうか。多様な意見がゆるされている社会になろうとしています。しかし,まだわたしたちはどういう言葉の使い方をするべきか学んでいる途中のように思われます。情動を喚起する意見に出会ったとき,わたしたちが理性をうしなわず,それに対処しながら,自分とはちがう考えのひとびとと付き合う方法はまだわたしたちはみつけていません。

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