10月5日は,スティーブ・ジョブズの亡くなった日。
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概要 このページでは「今日は何の日?」をテーマに,今日生まれたひとや,今日あった歴史的出来事について書いていきます。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)
今日は何の日
10月5日は,スティーブ・ジョブズの亡くなった日です。
スティーブ・ジョブズはAppleの共同創業者の一人です。Macintosh はもとより,iPod, iPad など魅力的な製品を発表してきました。なにより,魅力的だったのは,操作ボタンの少なさだと思います。シンプルなものを人間が操作を組み合わせることで,様々なメッセージを作り出せるというのは,それだけでとてもおもしろいことです。
ウォルター・アイザックソン 他(著)「スティーブ・ジョブズ (全2巻) Kindle版」[Amazon]
ジョブズは若い頃から禅にも関心をもっていました。病気をした当初,病と合理的に向き合う医学的治療を拒否していました。なぜ,ジョブズは合理的手段,手術という選択をしなかったのでしょうか?
それはジョブズ自身に聞いてみないと本当のところはわかりません。ただ,わたしが思うには,禅的思考のなかには,ものごとをありのままに受けとけるという傾向があります。
1828年のこと,新潟県を地震が襲います。禅僧である良寛さんは,災害に遭った友人にこんな手紙を書いています。
中野孝次 (著)「良寛 心のうた 」(講談社+α新書) [Amzon]
「災難にあうときは災難にあえばいいんです。死ぬ時には死ねばよろしい」というような意味ですね。災害にあったひとに言う言葉ではないですが,あったことはあったんだから,受け止めるしかないよというのは本当のことでしょう。
ただ,受け止めることと,そういう状況で諦めてしまうということは全く別のことです。中国の詩人・蘇軾はつぎのような言葉を残しています。
不安の向き合い方を研究した,高知県出身の森田正馬もこの言葉を著書のなかで紹介していますが,その意味するところは,ものごとを,そのあるがまま受け取りないという意味で,柳は緑色をしていて,花は赤い色をいしている。ああ,柳が赤かったらいいのには,花の色が緑だったらいいのになと願っても仕方がない。人間のこころも同じだ。辛い状況は辛い。それで諦めるのではなくて,状況を正しく判断して,ここで自分はどうしたい?そのためにはどうすればいい?なにができる?と考えて,実際何かをしてみることが大事だ。
森田正馬 (著) 「新版 自覚と悟りへの道 Kindle版」(白楊社)[Amazon]
ジョブズは病気になって,いわゆる代替治療を選んでしまった。それは医学的には正しい選択ではなかったかもしれない。
けれども,きちんと病気を受け止めて,それを自分らしいやり方で乗り越えようとしたことは,全然間違いじゃないようにも思う。そういう生き方でなければ,ジョブズではないように思う。
そして,同じことはわたしたちにも言える。
関心を持たれた方へ
ジョブズの思考方法を窺い知ることができます。
ウォルター・アイザックソン 他(著)「スティーブ・ジョブズ (全2巻) Kindle版」[Amazon]
森田療法を生んだ先生。自分との付き合い方のヒントがあります。
森田正馬 (著) 「新版 自覚と悟りへの道 Kindle版」(白楊社)[Amazon]
禅的生き方をうたにする。
中野孝次 (著)「良寛 心のうた 」(講談社+α新書) [Amzon]
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