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[ 災害伝承 ]「黒にごりが出たら,危ない」:長野県小谷村の土石流災害

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概要 この記事では,笹本正治 (2018). 伝説と土石流災害 日本地すべり学会誌, 55 巻, 6 号, 273-281を参考に,災害伝承の具体例を紹介しています。

1995年7月11日,長野県・新潟県で水害が発生した。大雨のため関川・姫川流域で土石流や河川の氾濫がおこなった。JR 大糸線の一部区間は復旧までに2年の時間が必要だった。これを 7.11 水害という。

この 7.11 水害の復旧にあたっていたひとたちが,1996年12月6日,土石流の被害に遭う。14名の犠牲者を出す災害となった。

笹本 (2018) によれば,災害が起こる前に「土石流の恐れがある」と作業を見合わせていたことが当時の新聞に掲載されているという(1996年12月8日「朝日新聞」東京本社版)。伝承により,土石流が起きる予兆を知っており,それにしたがって作業を中止したようだ。事故の翌日も,土石流の起きる予兆があり(「黒にごりが出たら,危ない」),救出にあたっていたひとびとが避難をしたという。

災害伝承を次世代に伝え,自然とともに生きていくことが今後も大切であり続けるだろう。

伝承によって知っていた人々がいたようだ。

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