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[ 読了 ] 「人生から何かを期待してはいけません。あなたの人生が,あなたに何を期待しているのか,それに気づくことが大切です」(フランクル「夜と霧」(みすず書房))
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死ぬか生きるかが偶然によって決まるのならば,仮に生き抜いたとしても,そんな人生に意味はあるのだろうか。
第二次世界大戦中,ヨーロッパではナチスによるユダヤ人絶滅計画が実行されていた。ユダヤ人精神分析学者ヴィクトール・フランクルが自身のナチス強制収容所体験をつづったのが本書「夜と霧」(みすず書房)だ。
ヴィクトール・E・フランクル (著)「夜と霧 新版」(みすず書房)
なぜ神様はこんな過酷は人生をひとびとに与えたのか。その意図を知ることはわたしたちにはできない。わたしたちにはそれを知る力がない。わたしたちは自身の認識する力の不完全さに耐えなければいけない。
人生を生きる意味は与えられるものではない。与えられていたとしても,わたしたち人間にはそれを知る力がない。
フランクルはいう。
「人生から何かを期待してはいけません。あなたの人生が,あなたに何を期待しているのか,それに気づくことが大切です」
この謎めいたフランクルの言葉は,人間の考え方にコペルニクス的転回をもたらす。わたしたちは日頃自分中心にものを考えている。中心に自分の「人生」があることにわたしたちが気づくとき,人生が私たちに何を期待しているのかがわかる。
そしてわたしたちがその期待に応えようと努力するとき,わたしたちはこう思う。
「わたしの人生は無意味なんかではない」
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