[読了]「戦わない。けれども完全に勝つ」(中里介山「日本武術神妙記 」角川ソフィア文庫)
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今日は何の日(ヒント)
巌流島は山口県にある無人島です。佐々木小次郎が巌流を名乗っていたので,巌流島と呼ばれるようになったといいます。武蔵は二刀で有名ですね。
島での決闘といえば,こんなはなしが中里介山の「日本武術神妙記 」(角川ソフィア文庫)にのっています。
中里介山「日本武術神妙記 」(角川ソフィア文庫)
船で乗り合わせたひとびと。ひとりは老人,他は血気盛んな若者。若者たちが自分の武勇伝を語り始め,周りのひとにからみはじめる。老人にちょっかいをかける。腰に刀をさしているが,それを使えるところをみせてみろと迫る若者に老人は,「わかった」といい,向こうにある離小島で立ち会おうというはなしになる。そこならば,誰にも危害を加えることもないだろう。
若者も同意して,老人は船頭に島まで寄ってほしいという。船頭は島に向かい,島に移れるところで,老人は若者に先に降りるようにいう。若者が島に降りて,後ろを振り向くと,船はもう岸に向かおうとしている。船に乗った老人がこちらをみている。
「あ。やられた」地団駄を踏む若者,笑う老人。
こんなはなしこそ,小気味いい。
武蔵がもしも巌流島での決闘をすっぽかしていたら,武蔵最強伝説は残らなかっただろうか。
たぶん,もっとおもしろい魅力的な武蔵伝説が誕生していたように思う。強さとおかしみの両面をもったひとはおもしろいですね。
中里介山「日本武術神妙記 」(角川ソフィア文庫)
他に,寝ているときに敵が襲ってくるかもしれない,どうしたらいいかという話が,あははというくらいおもしろいです。手にとって読んでみたら,日常生活にも応用できることがたくさんありそうです。
関連する剣術(剣道)に関する本
剣術に関する本ですが,日常生活にももちろん応用できる話です。
佚斎 樗山 (著), 石井 邦夫 (著)「天狗芸術論・猫の妙術 全訳注」(講談社)
坐禅の入門書。理屈っぽくなくて意外によみやすい。
藤田一照 (著)「現代「只管打坐」講義 そこに到る坐禅ではなく、そこから始める坐禅」(佼成出版社)
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