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【感想】ビートまりお最高傑作 リブート版『Help me, ERINNNNNN!!』

 どうも霜月です。

 先日の博麗神社例大祭で頒布された「Help me, ERINNNNNN!! ~たすけてえーりん!!~」に収録された『Help me, ERINNNNNN!!』。ビートまりおアレンジのビートまりおボーカルだと17年ぶりのリメイクになるのかな。

『Help me, ERINNNNNN!! -Cranky remix-』や「Help me, ERINNNNNN!! LOVE」収録曲はビートまりおのアレンジではないし、「#幻想郷ホロイズム」の『Help me, ERINNNNNN!! #幻想郷ホロイズムver.』は宝鐘マリンがボーカルだった。

 今までビートまりお最高傑作は『Destined Marionette』、クークリでは『ESP RAGING [myu314 remix]』だと思っていた(カバーも入れていいなら『東方萃夢想 ~end of strong~』)。それをこの曲は大きく超えてきた。

 ビートまりおらしさ(音)とビートまりおらしさ(歌)のインパクトがデカかった。 「Flowering ERINNNNNN!!」の『東方萃夢想 ~end of strong~』や「ケイブラブ」の『デスレーベル95-97-02』を初めて聴いたときのような衝撃度合いだった。

 実は今回の例大祭で頒布される作品、当初私は『Help me, ERINNNNNN!!』よりも『超最終鬼畜妹フランドール・S』の方に期待していた。

 しかしいざ買って聴いてみると大逆転。『超最終鬼畜妹フランドール・S』は思ったより自分に合わず(『最終鬼畜兵器』のフレーズとか好きなところはあるのだけど)、むしろ『Help me, ERINNNNNN!!』のほうがぶっ刺さった。この記事を書いているのもそんなことがあったから。

 私は厄介オタクなので、今まで「えーりんは世界一の神曲!」などと言っている意見を見ると「まだまだだな」と後方ベガ立ちおじさんと化していた。けど今回は私も「えーりんは世界一の神曲!」と言ってしまう。

 というわけで、【2024年版】『Help me, ERINNNNNN!!』について語ります。

【前提知識】

「東方ストライク」収録の初代『Help me, ERINNNNNN!!』はビートまりおによる打ち込み曲。下ネタはなし。
「Flowering ERINNNNNN!!」収録のボーカル版『Help me, ERINNNNNN!!』はmyu314が編曲をし、石鹸屋メンバー+狐夢想が演奏を行い、ビートまりおが歌った曲。下ネタがある。


【この記事での呼称・表記の仕方】

▼曲名の表記
『Help me, ERINNNNNN!!』と『』で表記

▼CD・作品名の表記
「東方ストライク」と「」で表記

▼バージョンの呼称
【インスト版】「東方ストライク」収録の歌詞がない『Help me, ERINNNNNN!!』
【ボーカル版】「Flowering ERINNNNNN!!」収録の歌詞がある『Help me, ERINNNNNN!!』
【2024年版】「Help me, ERINNNNNN!! ~たすけてえーりん!!~」収録の2024年版『Help me, ERINNNNNN!!』

▼パートの呼称
イントロ:冒頭の ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
サビ:「ああ、どうしよう!?」〜「あなたへのサイン」。輝夜視点
間奏A:サビのメロディとともに ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
Aメロ:「えーりん!えーりん!助けて!今日も聞こえてくる」〜「呼ばれてるよ」。永琳視点
Bメロ:「えーりん!えーりん!」〜「さあ行こう!」。永琳視点
A'メロ:「えーりん!えーりん!助けて!今日も叫んでみる」〜「ヤラれちゃうよ」。輝夜視点
Bメロ:「えーりん!えーりん!」〜「早く来てー!」。輝夜視点
サビ':「さあ、助けましょう!」〜「私へのサイン」。永琳視点
間奏B:コールのところ。 ( ゚∀゚)o彡゜乙杯!乙杯!
ラスサビ:「ああ、どうしよう!?」〜「もう一回!」。輝夜視点
ラスサビ':「さあ、助けましょう!」〜「助けてえーりん!」。永琳視点
アウトロ:最後の ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!

全体の好きなところ

 過去他所サークルによって『Help me, ERINNNNNN!!』がRemixされた際は、一部を除き大方「Flowering ERINNNNNN!!」の【ボーカル版】がRemix元になっていた。一方【2024年版】は「東方ストライク」の【ストライク版】の要素を(なんなら【インスト版】で打ち込んだものを流用しているとか)しっかり取り入れた上でリメイクしている。

 【インスト版】で分かりやすいのがイントロやAメロ・A'メロでゼビウスフレーズが流れるところと、アウトロに ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!するパートがあるところ。【ボーカル版】ではややAメロが寂しかった(オケはキーボードのベタ弾きとギターがコードを刻んでいるだけ)が、音数が増えて豪華になった。その影響か歴代『Help me, ERINNNNNN!!』の中でもoff Vocal ver.を聴いてもかなり楽しい曲になっている。

 それでもきちんと【ボーカル版】の要素が入っているのも嬉しい。特にhellnian氏やまこっちゃんのドラム! 「ああ、どうしよう!?」の直後のスネアフィル。これがしっかりとhellnian氏・まこっちゃんのドラムの音になっている。これがとても気持ち良い。間奏Bのバックギターなども秀三氏・ジュクチョー氏のような荒れ狂うギターを想起させる演奏で好き。

間奏

 イントロが終わった後、Aメロに入る間にサビのメロディで間奏が追加されている。【インスト版】【ボーカル版】にもなかった要素だ。一応Remix版を含めるなら「Help me, ERINNNNNN!! LOVE」の『Help me, ERINNNNNN!!(Tsukasa Hyper Rave Remix)』『Help me, ERINNNNNN!!~翔~』などにメロディこそ違えど間奏は入っていたし、『Help me, ERINNNNNN!!(Eurobeat Mix)』『Help me, ERINNNNNN!!(TUMENECO ver.)』はサビのメロディをベースとした間奏が入っていた。「くーくり博麗フェスティバル」の『Help me, ERINNNNNN!! -Cranky remix-』はこの間奏で ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!している点が共通している。

 この変更のおかげで一気に20年代の曲っぽさがある。【インスト版】【ボーカル版】ともに全く古臭くはないのだが、爽やかな現代の曲に進化した「新・えーりん」ということを強く感じ取れる。

Game Size

 【ボーカル版】はサビが終わった後「今日も叫んでみる〜」とA'パートの歌詞になっていた。その後は「さあ、助けましょう!」とサビ'(終わりだけラスサビ')をを通りアウトロで終わる。そのため歌詞の視点が《輝夜→輝夜→永琳》だった。【2024年版】はA'パートの歌詞がAパートになったことで《輝夜→永琳→永琳》の視点になった。視点がスッキリしたような気がする。

ZUNペット

 サビ(サビ'、ラスサビ、ラスサビ'も含む)とA'メロにZUNペットと思われるトランペットの音が入っている。これを入れたのは多分まろん氏だと思う(『天弓天華オトハナビ』でも似たようなことがあった。確証はないがまりお氏は入れない気がする)。原曲の『竹取飛翔 ~ Lunatic Princess』及び永琳のテーマ『千年幻想郷 ~ History of the Moon』は高音を響かせるZUNペットが魅力の曲だ。アレンジ曲でこのような原曲要素を入れているのは「分かっているな」とニヤついてしまう。

この曲はえーりん(ERINNNNNN!!)が輝夜(me)を助ける(Help)曲。
なので原曲は輝夜のテーマ。

間奏B

 ニートネタやPAD長にサークル・メンバーネタ、どぎつい下ネタ(当時のまりお氏本人も気づかなかった程の下ネタ)は時代に合わせて消えた。そりゃそう。時代遅れ、身内ネタ、危ないの三拍子。「えーりん!えーりん」〜「因幡!優曇華ー!」まではここは問題ないし大事なところだから残すのは当然といえば当然。でもありがたい。

 代わりに主人公博麗霊夢と霧雨魔理沙の名前が加わった。ライブの生演奏では不定期に入っていた二人がレギュラー(?)昇格。おめでとう。大本がプロセカとのコラボ曲である以上、この曲が東方への入口になる可能性が非常に高い。そういう意味で主人公二人の名前を呼ぶのは正しい判断。

 「東方 プロジェクト 世界のみんな よろしく!」という歌詞。私はまりお氏に尻を捧げてもいいと思った。

 歌詞遊びや氏の意味付けが上手いのは前々から知っていたし(『人間が大好きなこわれた妖怪の唄』の「夜にとり残された」や『秋想い、』の「集め 手に取り」、『リグルライフ』の「愛ライフ」など)その通りだと思っていたが、今回は心の底から天才だと感じた。この曲につけるにあたってこれ以上無い最高の歌詞だ。

アウトロセリフの差異

 まりおverは「ラスト!行くぞー!」「これからも!よろしくー!」
 ミクverは「みんなー!行くよー!」「ありがとうございましたー!」

 まりおverの「ラスト!行くぞー!」はアウトロを意識したもので、「これからも!よろしくー!」は『Help me, ERINNNNNN!!』がこれからも永く愛されることを願っての発言だろう。

 逆にミクverの「みんなー!行くよー!」は、直後のメンバー紹介へ繋ぐ前提のセリフで、「ありがとうございましたー!」は東方曲にゲスト(コラボ)参加したことへの感謝と思われる。

 「これからも!よろしくー!」「ありがとうございましたー!」はどちらも感謝の意味合いだが、前者は未来、後者は過去に感謝を述べる対比になっている。

まりおverの好きなところ

 コールの方々。【ストライク版】のコールを誰がやっていたのかは存じ上げないが、【ボーカル版】は石鹸屋&狐夢想氏(と恐らくmyu314氏)がやっていた。

 今回はあまね氏、まろん氏、狐夢想氏、秀三氏が担当していた。あまね氏は(【ストライク版】のコールを経験していなければ) 初めてコールに参加。狐夢想氏と秀三氏は【ボーカル版】からの続投だ。まさか秀三氏が参加しているとは思わなかった(し、何度聞いてもどこにいるのかが分からない)。個人的に石鹸屋あってこその『Help me, ERINNNNNN!!』だと思っているので、当時関わっていた秀三氏の参加は非常に嬉しい。

乙杯!乙杯!

 前述の通り時代に合わせて消えるべくして消えるネタは消えた。それでも残った乙杯!乙杯!

  ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!の元ネタからして消すわけにはいかないネタとはいえ、よく入れたなと。律儀にここだけあまね氏のコールが消えてそのぶんまりお氏のコールが増えているのはお約束。

ミクverの好きなところ

 調声がバケモンすぎる。特にバーチャル・シンガー達のコール。ドレミファドの音という音がないただのコールなのに人間が叫んでいるかのように聞こえる。トークロイドどころの話ではない。

 ミクもミクで〝ボカロっぽさ〟が1mmもない。普段ボカロ(広義ではなく狭義のVOCALOID)曲を聴き込まない(「知っているミクが歌った曲は?」と訊かれたら『千本桜』『オワタ\(^o^)/』『高音厨音域テスト』と答えるレベル。殴られますね。)私からしてみればかなりの衝撃を受けた。ビートまりおとデュエットできるじゃん。

 正直なところCOOL&CREATEのボカロ曲前作『カラフルバレット88』『ダララ∞ダ∞ラダラ』に私が良い印象を持っていなかった関係で(最近は再評価して好印象寄りになっている)、ミクもこの程度かと思っていた。これも衝撃っぷりに拍車をかけている。

いっぱい!いっぱい!

 流石にミク達に自分らの胸を叫ばせるわけにはいかなかった。残当。この歌詞は配信ライブの際(枠主がビートまりおではない配信)によく使われるもので、「乙杯!」による配信BANを防止する意図がある(それと年齢層への配慮)。CDでは『Help me, ERINNNNNN!! #幻想郷ホロイズムver.』で初めて採用された。これに関しては船長だから乙杯でも良かったのでは……?

 下ネタは規約的に怪しい上、キャラクターイメージにも関わる(がっつり下ネタなボカロ曲もあるけど)。何より〝プロセカ収録曲のフル ver.〟である以上入れるわけにもいかないのだ。しょうがない。空耳で「みっぱい!みっぱい!」と聞こえるらしい。マジで?

レンくんとバーチャルシンガー

 鏡音レンくん。お久しぶりだね。「僕らのお●んぽ。」収録の『レンのおっ●ん。』以来かな。お帰り。下ネタ叫ばなくてよかったね。

 コールの面々は全員ミクと同じクリプトンキャラのバーチャル・シンガー達。

 レンがCOOL&CREATEに縁があるように、このメンバー達にも東方とも遠からず縁がある。東方非想天則の鈴仙・優曇華院・イナバのカラーだ。

 こんなところでも感動。意図してないだろうけど。

MVの好きなところ

 主にスクショを貼るだけ。

まりおver

青春っぽい
パチュマリ派マリアリ派両方解決
なんかいる制作者ども(左上)
BeatStream収録『Help me, ERINNN!!』PV(↓)のオマージュ。
まさかの元ネタで感動した。
弾幕の装飾
唐突な昆布だし
設定通り一人無表情なこころ
ニコニコの弾幕とライブの腕振り・コールを一度に解決した文化祭ステージ設定。天才かと
しれっと左上にZUN
やさしい。
えっも
原作「東方永夜抄」の自機達。
これもBeatStream収録『Help me, ERINNN!!』PVっぽさ(↓)を感じる。

ミクver

顔。
出会ってしまったか
初見に優しい
ニコニコ御三家!(一家いないけど)
ネギ

CDの好きなところ

 現物を手元に置いた上で読むことを推奨。

 ジャケット冊子内の歌詞カードがMVのフィルム風スクリーンショットになっている。「Flowering ERINNNNNN!!」でもジャケット冊子にライブイベント、Flowering Night2007のスクリーンショットがフィルム風に並べられていた。出典を意識していて大好き。

いくつかの欠点

 最後のジャーンが消えていたこと。これが最大の欠点だと感じる。ライブなどで『Help me, ERINNNNNN!!』を行った際、最後のジャーンに合わせてみんなでジャンプするのが通例だ。

 もし今回のVerを今後『Help me, ERINNNNNN!!』としてライブなどで使っていくならば、最後のジャンプが無くなる可能性がある。生演奏なら無いかな?

 それと、これは欠点らしい欠点ではないが、上述の理由から打ち込みのドラムはともかく生演奏のギターは秀三氏かジュクチョー氏に録ってもらいたかったと強く思う。ジュクチョー氏は近年COOL&CREATEとの関わりがないから難しいかもしれないが、秀三氏はコールにも参加していただいているのだからギターもやっていただきたかったなあ(ただしギター担当の小林ヒロト氏は現石鹸屋のリードギターをやっているので、全く無縁の方がギターをやっているわけではない)。


 感想はこんなところです。かなりの長文になってしまいましたが、愛は伝わりましたでしょうか。

 それと今回も性懲りもなく元ネタ&比較動画を作ってしまいました。良ければご覧ください。

以上。

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