平等ではないこの世界で、ベターな選択肢を
今読んでいる本のなかに、わかってはいたけど強烈な一言がありました。
そりゃ、当たり前です。
生まれつきお金持ちの家に生まれれば、そのぶん高い水準の教育を受けられるし、習い事だって小さいころからやらせてくれたでしょう。家が代々続く名家なら跡継ぎになれます。
下剋上というのもゼロではありません。しかし、医者の子どもは医者だし、東大生の親は高学歴だし、金持ちの子どもは金持ち。出会える人だって違います。
それはそれで悩みや苦悩もあるのでしょうけど、やっぱり羨ましい思いはあるわけです。
今回は自分語りをさせてください。
大学に行く選択肢を取れなかった
わたしは高卒です。実は3年生の5月ごろまでは大学に進学したくて、工業高校ながらも進学コースに入っていました。
しかし、両親とも非正規雇用者で、当時の母は仕事を3つ掛け持っている状態。朝は5時に起きてわたしの弁当を作り、帰りは夜0時過ぎ。わたしも部活でそれなりに遅く帰ってはいたのですが、母はそれ以上でした。
2歳下には弟がいて、彼は普通高校を選択したため、高校卒業後も大学や専門学校に行くはず。ということは、最低でも実家には負担をかけない。できたら仕送りをする必要があると当時考えたわけです。
大学に通いながらバイトをして、仕送りを一切貰わないことを前提として高校の先生にも相談してみました。ただ、当時のわたしは大学にいわゆる特待生として取ってもらえるほどの学力はありません。
教科書代やら何やらで入学時にも多額のお金が必要になります。高校も市の奨学金を借りて通っていたので、大学でも借りるとなると返済が大変なことになるのも事実。
しかし、それ以上に問題がありました。
「何のために大学へ行くのか?」答えがなかったのです。
努力をして大学へ行く理由が特になかった
一般的には大学を出たほうが、就職後に地位や給料もあがります。だんだんと学歴至上主義が減りつつあるとはいえ、高卒だと頭打ちになる会社も多いでしょう。
「大学の4年間でやりたいことを見つけよう」「就職後に差ができるなら大学を出たほうがいいよね」くらいの理由しか見つけられず、家計を考えたら高卒で就職したほうがベストだよねという方向に揺らぎます。
その後、過去3年間求人が来なかった会社が気になり、担任の先生にお願いしてわざわざ福岡の本社まで行っていただき、奇跡的に求人枠を他校からこちらへ移行してもらえることに。
ただ、実は過去に評定4.9の先輩でも落とされた経緯があり、けっこう止められました。高卒の求人は1次募集で内定をもらえないと、一気に会社のランクが下がってしまいます。
今のわたしならあれこれリスクを考えるのでしょうけど、当時は何となく大丈夫そうなイメージがあって「ここにします」と。結果、前職でもある某企業に内定をいただけました。
2年間の会社員生活
結果として、大学へ行かず高卒で働いたのは家計的にも経験的にもベターな選択肢だったと思います。
2年間、月3万円程度の仕送りができたし、180万円ほど自転車旅の資金も貯められました。ほんとうにちょっとだったけど、会社員として働けました。今でも気にかけてくださる先輩・上司とも出会えました。
本当に奇跡の連続みたいなもので、何とか今まで生きています。
まとめ
実際に社会に出てみると、やっぱり大卒の人が多くて、学歴コンプレックスを感じることもあります。
だからどうこう、みたいな話ではないんですけどね。みんな野球経験者なのに、自分だけキャッチボールすらしたことないみたいな、疎外感のほうが大きいかも。
家庭の事情で高校にも行けなかった同級生もいました。片親の先輩も複数いました。自分はまだマシだったし高校の同級生も同じような境遇の家庭が多かったです。
だからこそ、社会に出てから「世の中にはこんな裕福な家庭がいっぱいあるんだ」とびっくりしたり。笑
平等でないのは、もう仕方ありません。その中で自分なりの選択肢を捕まえていくのが人生というゲームなんだろなと、さすがに26歳にもなれば開き直りますけどね。
結果として、今までの生活を選んだのは自分自身です。そして、その選択肢は正解だったねと思えるようにするのが、これからの責任だなと改めて思わされました。