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日誌「滞在記:初日」 #604

いつもの通り夜中までパッキングは続き、とりあえずの終わりを迎えた。ただ、どう見てもキャリーケースが閉まる気がしない。じんわり不安を感じつつも眠りにつく。そして朝になってキャリーケースを閉じようとすると、それが不可能であるということが判明。国内旅行では所謂“機内持ち込みサイズ”のキャリーケースとサブバックで事足りるのだが、今回は石川県への旅ということで厚手の服を入れたためか収まらなくなってしまった。急いで押し入れの奥にある大きなキャリーケースを引っ張り出して中身を入れ替える。直前でバタバタしたが、何とか予定していた電車に乗り込んだ。

まず到着したのは東京駅。何かのイベントがあるのかと思うほど混み合っている。勢いでグランクラスという座席を行きのみ購入してしまった。その特典というのか八重洲中央口にあるラウンジを使うことができる(基本はビューカードのゴールド会員向けラウンジ)。こういう場所は空港のそれと同様に落ち着いている。カップを置く音が響くほど静かで逆に緊張してしまった。そそくさとラウンジを後にして駅弁を買い、新幹線の乗り場へ向かう。すでに綺麗な北陸新幹線“はくたか”が停車していた。グランクラス自体は空席が多く、利用者の年齢層もバラけている感じだ。

金沢行きのはくたかでは飲料や軽食のサービスはないそうで、その点は残念だ。しかし、座席の広さなどはこれまで体験したことのない広さで驚いた。逆にどう過ごすべきか悩んでしまって、先のラウンジ同様に逆にくつろげないという技を発動してしまう。駅弁を食べたりiPadで映画を見たりと、とにかくいつも通りに過ごす。そのうちに景色が山になって、海になって。天気が良いとは言えないが、こちら側の秋冬といえばこういう色合いのイメージがある。約2時間50分で金沢駅に到着。さぞ寒いかと思って下車したが、そこまで寒くはない。2019年に訪れて以来2度目、また肥える旅になるだろう。