近藤和彦「ポパーとLSEの変貌」『図書』2023年10月号
『図書』2023年10月号、近藤和彦「ポパーとLSEの変貌」を読んで、ポパーのことが少しわかった。
近藤氏が、ポパーの自伝とオクスフォードの哲学者ライアンの記事から書いているので短いながら読み応えがある。反証可能性は池田光穂氏の解説がわかりやすい。こういう解説ほんとに必要だと思う。
反証可能性(Falsifiability)解説:池田光穂
https://navymule9.sakura.ne.jp/080428falsifiability.html
「カール・ポパー(Karl Raimund Poppr, 1902-1994)の科学論におけるもっとも重要なテーゼ。科学理論の客観性を保証するためには、その仮説が実験や観察によって反証される可能性がなけ ればならないというもの。つまり、ポパーによれば、科学理論は反証される潜在性をもつ仮説のあつまりであり、反証に対して抵抗力のある(=反証に対してき ちんと反論できる)ものが信頼性の高い科学理論である。
フロイトの精神分析は、反証ができない解釈のために、ポパーに言わせれば科学理論とはいえない。また、帰納法に関してもポパーは否定的立場維持 する(→ドイツで戦後おきた「社会学実証主義論争」では、ヘーゲル主義のアドルノとともに、データにもとづく社会調査に対して「誤った自然主義」と批判し たので、反実証主義と思われているが、この彼の反証主義からみれば、反証を保証する点では実証主義者そのものである)。」