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コリン・マッケイブ『ジェイムズ・ジョイスと言語革命』筑摩書房、1991年(2015年12月5日に読んでいた本)
コリン・マッケイブ『ジェイムズ・ジョイスと言語革命』筑摩書房、1991年
カルチュラル・スタディーズが社会学に導入される以前には、文学研究において文化の政治学的な研究が翻訳されていた。この本もその一冊。スクリーン派を代表するマッケイブの主著。
スクリーン派はスチュアート・ホールに批判されていた。双方ともマルクス主義という同じ理論的な参照がありながら、スクリーン派はいわゆる社会的諸関係social relations が軽視される形でラカン理論が導入されている論理構造ということ。同じ文学研究では、レイモンド・ウィリアムズが『文化』や『マルクス主義と文学』において社会学的視点を導入していたのとは対照的であろう。当時は勉強途中であったので、なるほど〜と感心したものであった。現在は少し考えも変わってきてはいるが。もう一度パラパラとページをめくっているところ。