改めて資産形成の心構えを考える
(Facebookグループ「よーよーの資産形成塾」8/18の投稿の転載です)
○先週の相場
終値 前週比
S&P500 5,554.25 210.09
日経平均 38,062.67 3,037.67
ドル円 147.61 0.99
米10年国債利回り 3.885 -0.061
○振り返りと今週の注目
先週の株式相場は日米とも5週ぶりの反発、それも大幅反発、となりました。
日経平均は8月5日の直近安値から見ると21.0%の大幅上昇で、7月11日に付けた過去最高値の42,224.02円を9.9%下回る水準まで回復しました。一方、米国のS&P500は直近安値から7.1%上昇とこちらも大きく回復し、7月16日の最高値5,667.20をわずか2%下回る水準まで戻しました。
一見すると、日米とも株価の急落は一時的なものであり、このまま上昇基調を維持しそうに思えます。特に米国においては、注目だった7月の消費者物価指数(CPI)がインフレの落ち着きを示し、7月の小売売上高が市場予想を大きく上回ったことから、9月利下げの可能性と景気後退にはならないとの観測が台頭し、株価を押し上げました。
再び楽観が広がりつつありますが、短期的な相場変動については、再度反落という可能性も見ておいた方が良いと考えます。というのも、①夏は市場参加者が減っている(「閑散に売りなし」という相場格言があります)、②米国の景気後退懸念が残っている、からです。
私たちのように長期投資を行なっている者にとっては、8月初旬までの上げ相場では余力を残しながら資産形成を進め、その後の下落時にはその余力で安く多く買い、足元ではこの先相場がどちらに行っても良いように構えているという姿勢で良いと考えます(相場観で大きく勝負をしたり、短期トレードでやるという方は、心構えが異なってきますので、そちらの話はまた別の機会に)。
今回の下落は今のところ期間が短いので、うまく買えた方とそうでない方がいらっしゃると思います(私も指値をして買えたのは1銘柄だけでした)。ただ、もう一度下げがやってくる可能性はありますし、下げずに上がったら皆さまの金融資産の評価額が改善することになります。
少なくとも、ここまでで最もやってはいけないのは、資産の評価減に耐えられず、これまで積み上げて来た投資資産を相場が大幅下落したところで売ってしまうことです。
もちろん、相場に絶対はないのですが、株価は今回も下げたあと反発していますし、この先、米景気後退や地政学リスクで再下落することがあっても、いずれ回復することが期待できます。過去のブラックマンデーでもリーマンショックでも相場は戻ってきました。
しかし、残念ながら主要投資信託では、相場の急落時に売ってしまう動きが出ていたようです。8月7日だけのデータですが、eMaxis Slim 米国株式(S&P500)で226億円、eMaxis Slim 全世界株式(オルカン)で78億円の資金流出がありました。全体としてはそれぞれ資産総額の0.5%、0.2%ですので大したことないとも言えますが、個人投資家の人気ランキング1、2位の投信でこれだけの資金流出があったということは、それだけ資産形成をやめてしまった、あるいは減らしてしまった方がいたと想像できます。
もしも、それらの方々が、相場が急落した時に、メディアに出て相場崩壊を唱えているM氏やO氏(S氏も)のコメントを読んで決断したのだとしたら、個人的には残念なことをしてしまったなと思います(相場に絶対はありませんが)。
なお、月初めの8/5に日経平均が大幅下落した際、「この急落に対してどのような感情や考えを持っているか、この状況の中で長期的な資産形成をどう進めていくか、ということを見つめる大事な機会」と投稿しました。
大幅調整時の2割程度の下落は珍しくないと考えれば、今回の日経平均の25.5%の下落はさもありなんという感じでして、S&P500の8.5%下落はまだ不十分とさえ感じます(eMaxis Slim 米国株式などの投資信託ですと、円高も加わったため17.4%の下落)。
おそらく10月、11月以降は上昇基調を取り戻すと思いますが、それまでは市場の楽観派と悲観派のせめぎ合いになるのかなと思っています。
私たちは、自分のリスク許容度を確認しながら、楽しく増やす資産形成を続けていきましょう😊
日経ビジネスに私の記事が掲載されましたのでご覧ください
役職定年を割り切れず、学び直してメガバンクの肩書を捨てた:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
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