相場は大幅調整、落ちるナイフをいつ掴むか
(Facebookグループ「よーよーの資産形成塾」8/2の投稿の転載です)
○現在の相場
8/3 2am現在 直近高値からの変化幅(変化率)
S&P500 5,326.91 -340.29(-6.0%)
日経平均 35,909.70 -5,365.38(-13.0%)
ドル円 146.77 -11.58(-7.3%)
○振り返りと今週の注目
前々回(7/15)のレポートで、「相場が強気に傾きすぎており、こういう時は相場のピークが近い可能性がある」と述べたあと、日米の株価が大きく下げ、為替でもドル円が大きく円高ドル安方向に振れました。
そこで、前回(7/25)のレポートでは「資産形成において重要なのは、今回のようなボラティリティが高まって相場が急変する可能性を認識し、その可能性に備えるということです」と書きました。
そして、今後の展開に関しては「このような地合いになってくると、「サマーラリー」と呼ばれていたのが「夏枯れ相場」と言われるようになったり、企業決算に関してもよりシビアな評価となったりします。短期的には、どこで、いつ、この逆回転が止まるかを予想するのは難しいですが、元々言われていたような経済や政治の大きな流れに変化がないのであれば、下げは買いのチャンスにもなります」と述べました。
実際、マグニフィセント・セブンを始めとして、米国の企業決算に対する市場の目は以前と比べて急速にシビアになっています。単なる好決算はもはや売り要因という状況です。
この勉強会グループの皆さまは、私が申し上げている「今は、時間、企業、国、資産の種類への分散に加えて、いくつかのシナリオを立てて投資を行なっていくのが良いステージ」という見方に沿って、投資は継続しているものの無理はせず余力を残していると思われます。
相場が上昇を続けていた時にはもどかしいと思ったかもしれませんが、日経平均が42,000円台まで上がり、すぐに45,000円、その先は50,000円と言われていたり、S&P500が5,600台まで上昇して、アナリスト達が予想株価を6,000に引き上げた流れに、ついて行かなくて良かったと思います(私を含めて)。
今後の展開に関しては、今でも上記に示した通りなのですが、ここで注意しておきたいのは「元々言われていたような経済や政治の大きな流れ」の部分です。米大統領選つまり政治の大きな流れについては11月まで不透明性が続きます。そして経済の大きな流れについては、今まで市場参加者の間で主流だった「米経済のソフトランディングあるいはノーランディング」ではなく、今まで予想されながらも兆しが見られなかった「米国の景気後退」が大きな流れとなる可能性が台頭しています。
7月の米製造業ISMが46.8と昨年11月以来の水準まで低下したことに加えて、先ほど発表された7月の米雇用統計では、雇用者数が11.4万人と市場予想を下回ったほか、失業率が4.3%と市場予想を上回り、「サームの法則」によると景気後退に陥る可能性を示しています(「サームの法則」は新春セミナーでやりましたね)。
そう考えると、米大統領選の不透明性などから始まった、ポジションの解消、相場の急変という流れは、米国の景気減速あるいは景気後退というシナリオの台頭によって、もうしばらく続く可能性があります。
ただし、元エコノミストの立場から言わせていただくと、米国に景気後退の兆しが出てきたことでホッとさえしています。なぜなら、あれだけ米景気後退のシグナルが点灯していたにもかかわらず、米経済がずっと堅調さを維持していたのが謎だったからです。まだ景気後退に陥るかは不確実ですが、少なくとも成長の大幅減速が見られそうなこと、それに伴って割高感のあった株価に調整が入っていることは、中長期的に見たら安心感さえあります。もしも相場がまだバブル領域に達していなければ、調整はそこまで激しいものにはならないだろう(2割下落くらい?)と思っています。
ちなみに、今一度思い出していただきたいのは、日米株価とも今年の初めは、
− 日経平均の予想高値平均は36,971円で40,000円以上は12%
− S&P500の各社予想では最も強気派で5,400、中央値は5,100
という予想でした。
そう考えると、現在の水準は必ずしも暴落水準ではなく、もしもマーケットが総悲観となるなら、まだ下落する可能性があります(ただし、ここは決め打ちできません)。
さて、そうなるとどこで株買いに転じるか。相場の格言では「落ちるナイフは掴むな」と言われ、相場が反転してから買いに入るのが良いとされていますが、個人的には、株価も下落し、為替も円高ドル安となってきたので、どこかで米株を少し仕込みたいなと思っています。
引き続き、楽しく増やす資産形成をしていきましょう😊
日経ビジネスに私の記事が掲載されましたのでご覧ください
役職定年を割り切れず、学び直してメガバンクの肩書を捨てた:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
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