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【読書】『失踪願望。コロナふらふら格闘編』『続 失踪願望。さらば友よ編』 椎名 誠 著 集英社 2022年 2024年

椎名誠は元気なんだろうか。
何十年ぶりかで椎名誠の本を読む気になった。

おそらく大学生の時に椎名誠の本を結構読んだと思う。
いっとき、僕は「活字中毒者」であると自認していたが、これは彼の椎名誠の本のそのままだし、何より、いま、これを書いている文体も大きく影響を受けていると言っていい。

大学を卒業してからは、小難しい本を読むようになって、読まなくなって長い月日がたつがが、冒頭のことが気になって最新作を読むことにした。
まず驚いたのは椎名誠が今年80歳だということ。
20年以上も年上なのだ(←このあたりが影響大)。
最近、60歳を前にして自分よりかなり上の年齢だと思っていた人が、実はそれほど上でなかったりすることに驚くことが多かったが、椎名誠の場合は逆だ。
年齢的に近い人だと思っていた。
次に、著作が300冊以上になるということ。。
ベストセラーになった著作が何冊もあるが、ずっと本を出し続けてきたことに驚いた。
勝手に弱っている、なんて思っていたが全くちがう。

読んだ本では、弱くなってきたと書いているが、80歳を迎える年齢からすると考えられないくらい酒を飲み、仕事(執筆、講演)をしている。
冒頭のことは、まったくの思い違いである。
椎名誠は今もいろいろありながら元気なんだ。

椎名誠は、「わしわし」と飯を食べたりするオノパトメやカタカナ使いの天才だと思う。
堅い話も深刻にならず読み進められる。
じっくり読みたいなら小説が山ほどある。
日本SF大賞を受賞した「アド・バード」の後もSF小説を出し続けているし、今もSF小説を書こうとしている。
何よりの驚きは、「私小説」がルーツにあって、今新たにチャレンジしたい、ということだ。20年以上年上なら小説に触れる最初が私小説であり、ルーツになると思うけれど。

本書は集英社のウェブサイトに連載されていた日記に書き下ろしが加えられている。
変わらない椎名誠に会えてとてもうれしかった。
自分もまだまだ頑張らんとあかん。

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