【読書】『肩をすくめるアトラス』 アイン・ランド
この本は一年前に読んだ。
ずっと感想をあげようと思いながら一年たった。
今でも感想は変わらない。
おおよそ1か月にわたる悪戦苦闘の結果、この本を読み終えた。
こういった本は若いうちに読んだほうがいいこと、こみいった内容の翻訳本は原書にあたれるくらいの語学力があった方がいい、と思った。
この本は、「アメリカで聖書の次に読まれている本」とあった。
このことはYouTubeの中でも誰かが言っていた。
それだけ読まれているのであれば、文庫本で2000ページ以上になっていても読みやすい本なのかな、と思い、軽い気持ちで読み始めた(因みに、昨年「徳川家康」全27巻を読んだ。)。
そして冒頭の感想だ。
一つ一つの内容をたどっていくことはとてもできない。
それでも、勇気をもって一言でまとめると「(アメリカの)資本主義とは何か知りたかったら読むべき」である。
あくまで「資本主義」であって、「民主主義」は含まれていない。
僕らは(僕だけかも知れないけれど)「アメリカ」と聞くと資本主義と民主主義が切っても切れない縁があるように感じる。
「資本主義」と「民主主義」は全くの別物であることが、この本を読めば分かる。
登場人物は癖がある、という簡単な言葉では片づけられない。
主人公は善であるとすると、敵役は悪か。
そんな簡単な図式ではない。
現代の日本においては、敵役が善とされている。
資本主義とはバラ色の世界ではない。
骨と骨が軋みあってぶつかる世界だ。
その世界を生き延びていく厳しい世界が資本主義だ。
こういうハードな内容の本が売れるアメリカの底力を感じる。
今までは、本を読み始めて、なんかしっくりこない場合、これは理解できないと感じた場合には本を閉じて積読の棚に置くことにしていた。
今回は、戦った。
無理をした。
そして、この本を読み終えたあと、活字は雑誌すら読めなくなった。
詳細まで読んだ、とはとても思えないけれど、本気で読み切ったつもりだ。
自分の意思を曲げてまで読み切る。
本との勝負であり、はっきり言って負けたと思う。
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