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【読書】『世界に学ぶ自転車都市のつくりかた』 宮田浩介 編著 南村多津恵・早川洋平 著

自転車によく乗っている。
サイクリングというより、通勤、図書館行く、買い物に行くなどの目的があって乗っている。
車を使うまでもない、公共交通機関は使えない、歩くには遠い、といったことで移動手段、交通手段である。

日本の交通手段の視点からみた自転車の評価は以下のとおりである。

日本の自転車の交通分担割率(移動の際のメイン交通手段に使われる割合)は、16%でオランダとデンマークの25%に次ぐ世界3位である(本書183ページ)。
日本の自転車利用度、そして利用者層の幅広さは、しばしば国際的な注目の的になっている(同ページ)。
自転車フレンドリー都市の格付けコペンハーゲナイズ・インデックスでは2011年、東京に第4位の座が与えられ、自転車の浸透度や女性ユーザーの多さなど様々な点で他の刺激となる都市、と紹介された(同ページ)。

東京の都心へ向かう道を通勤で自転車を使っていると、通勤だけでなく買い物や他の移動手段として自転車が使われているのが良くわかる。しかし、一方で走りやすいとは言えない。
朝は大きな通りは自動車で渋滞しており、とても走りにくい。
僕は自動車に注意しながら走っているが、いろいろな運転の自動車があるので通勤時にはウェアラブルカメラで録画をしている。
また、都心では駐輪場が少ない(私の通勤しているビルにはとても広い駐輪場があるので助かっている)。ピカピカのビルはたくさん建っているが平置きの駐輪場があることはまずない。

筆者は自転車を交通手段としてとらえている海外の事例をあげながら、第8章で日本の現状について前記のとおりふれているが、なぜこうなるのかを「ユーザー目線が抜け落ちた日本の自転車インフラ」(190ページ)としてとりあげている。この中では、僕の通勤時にも感じることだけど、歩道の利用度が世界一?な日本の自転車ネットワーク(192ページ)、ペイントだけの自転車レーンは路駐レーンになりがち(200ページ)、ニーズに反して整備されてこなかった自転車道(201ページ)といったトピックが並ぶ。

僕の通勤時に感じることはあくまで個人的な感想だ。
問題の解決には、個人の力ではなく行政の力がないと解決できない。
この本は僕に自転車利用に関する様々な視点を初めて与えたくれたと同時に、自転車を使う理由を与えてくれた。

今、これを書いているのは2024年7月6日、つまり都知事選挙の前日だ。
都知事候補の中に、自転車利用を促進する、と主張する人はいないようだ。
残念なことだ。


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