見出し画像

POD出版は小説家の“新たな道”に成り得るか?

◆出版において重要なこと

 書籍化にあたり、作家の皆さんに注意して頂きたいことがあります。それは「出版はゴールではなくスタートである」ということです。
 アマチュアの作家からすれば書籍化は大きな目標のひとつですが、その達成は同時に、プロの作家としてのスタートでもあるのです。

 しかしPOD(プリントオンデマンド)出版と謳われるサービスの多くは、その重大な点について深くは言及していません。
 これは私がいちアマチュア作家として抱いた感想ですが、既存のサービスは「作家を相手に儲けるためのもの」であり「作家を儲けさせるためのもの」にはなっていないからでしょう。ですから彼らは最も肝心な「POD出版が作家としての収入にどう結び付くか」というところには、一切触れようとしないのです。

 それではTEAPOTも同じなのでしょうか? 勿論、私は違うと断言できます。何故ならこのサービスは『書籍化=作家の収入』という図式を確立し、作家を目指す皆さんの利益を何よりも尊重しているからです。
 それを比較するために他社の出版サービスとTEAPOTとで、一定の金額を収入として得るための条件を“現実的な前提と試算”に基づいて導出してみました。以下にそれを示します。

◆各出版サービスの比較

 まずは前提条件ですが、①『本は新書版サイズを基準』とし、②『小説1作の文量(本文約12万字・版面率70%程度)を載せられる頁数』とします。
 条件①については、どれも値段が1,000円を超えるため、読者の価値観と合わせるには文庫版だと厳しいだろうという判断です。
 条件②については、純文学は8万字であったりミステリーは20万字であったりと、本1冊にも幅がありますが、一般的な小説やライトノベルでいえばこれぐらいが妥当かと思います。

 これらの条件を満たした上で、各出版サービスを利用して、最も購入が期待できそうな仕様で出版した場合の著者の負担や本の値段を見てみましょう。
 ※下表は2019年12月時点の仕様に基づいて作成したものです。また色付けは優位を示すものではありません。

比較図1

 これを見ると各社で色々な特徴があるのが分かります。この表を元に、初版売上から初期費用を差し引いて著者がそれなりの収入を得るには、“どういう仕様の本をどれくらい売れば良いか”というのを計算してみました。

◆著者がPODで稼ぐのに必要な部数

 TEAPOTの出版ボーダーと他社の最低振込額から、ここでの収入基準額は6万円としています。それを稼ぐのに必要な部数は以下の通りです。

 著者が6万円

【BCCSの場合】60000/120=500
 →1冊1,200円で、500部販売。

【myISBNの場合】(60000+64980)/300≒417
 →1冊3,000円で、417部販売。
 ※重版の場合は200部。

【3spiceの場合】60000/232≒259
 →1冊2,320円で、259部販売。

【TEAPOTの場合】(60000+12000)/240=300
 →1冊1,200円で、300部販売。
 ※重版の場合は250部。

 このような結果になりました。

 これはあくまで私が試算した例であり、既存のサービスを使った場合でも、もっと有用なモデルが存在するかもしれません。
 しかし少なくともTEAPOTが、作家として活動するにあたり非常に現実的であり、小説家としての道のひとつに成り得るということは、お分かり頂けたかと思います。

▼出版サービス『TEAPOT』まとめはコチラ


いいなと思ったら応援しよう!