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失われた時をもとめて: サンリス
こんにちは久しぶりです。娘から聞きましたが仕事で忙しいようですね。昨日、妻の作品の展示でサンリス(Senlis)へ行きました。
覚えていますか? サンリス。
君がまだ幼稚園児の頃だったとおもいますよ、君の叔母と従妹や君のお母さんと弟、皆でここに来ました。それは冬の終わりか春先のまだ薄ら寒い季節だった。前日かその当日の朝降った雪が、路肩に、まだ残っていた。
暖房のあまり効かない車内で移動中、ずっと我慢していたのでしょうね、着くと君がトイレに行きたいと言いました。
今でもフランスは公衆トイレの設置が普及していませんし、当時こんな中世の街並みを残した田舎町には当然ありませんでした。
「いいよ、そこいら辺でしちゃいなよ。」
人気のないのを良いことに、ぼくが勧めて大聖堂の正門の脇で罰当たりなことをさせてしまいました。教会の中では確かお祈りみたいなことをしていましたね。声が響いて微かに外に漏れていました。
ここに来る度にその時の事を思い出しては可笑しくなります。
もう五十に手の届く歳になり社会的地位も確立した君に、こんなことを言い続けるのは失礼でした。不愉快かも知れません、ごめんなさい、ここに来るとあの時の事をどうしても思い出してしまうのです。
学問の記憶はほとんど消失してしまっているのに、こんな役にも立たない記憶は鮮明です。困ったものですね。
無理をしないで、ほどほどに。
じゃあ、いつの日かまた。
叔父。
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サンリス (Senlis) :
時代はガロ・ローマ時代にまで遡りこの地がローマ帝国に支配されていたことをうかがわせる1世紀の闘技場跡があり、街の旧市街は中世王たちの住居が置かれ栄え、ゴシック様式の大聖堂を中心に、古くからの家々や石畳の路地から構成されている。
この一帯は町の遺産として保護・保存されている。
町の紹介文を呼んで以上のように要約してみた。
フランスのほとんどの町に共通な点であるが、鉄道駅は繁華街から遠い。どこの田舎町に行っても駅の周りは閑静と言うより寂しげで怪しい。
わたしの住む町も例外ではなく一晩自転車を駅の駐輪場に止めて置いたら、後輪が変形するまでに蹴られて台無しにされてしまった。人目のないのを良いことに好き勝手をする輩は何処にでもいる。
その点サンリス駅は旧市街中心へは徒歩でほぼ5分程度で便利である。しかし残念ながら現在は廃駅となっている。線路は撤去されており、線路跡は遊歩道になっているようだった。
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ウィキペディアによると、「1862年に開業し、1950年に旅客鉄道が廃止され、1990年代初頭には貨物鉄道駅としても使用されなくなった。旧駅舎が第一次世界大戦中に焼失した後、現存する旅客用の駅舎は1922年にギュスターヴ・アンブデンシュトックによって建設された。20012年8月17日、歴史的建造物に指定された。駅の前庭は現在、バスターミナルとして使用されている。」
この界隈を散策してみると、駅に隣接してフランス国立銀行があった。もちろん現在は銀行としては使用されてはいない。けど、かつてこの町が繫栄していたことが伺える。
プラットホーム側に回ってみると、線路は撤去されており跡地は遊歩道になっているようだった。
駅舎内には入れなかった。
なので、車がないとこの町へのアクセスは不便である。
自家用車がない場合はレンタカーを借りて行くのが最も便利な方法であると思う。パリ・シャャペル門(porte de la chapelle)から約50 ㎞高速道路A1で出口n°8 。渋滞がなければ一時間弱で着くはずだ。
ただし、パリの環状高速は70km/hから50km/hに10月1日から制限速度が改正されるので気を付けよう。
レンタカーは大手で言えばADAが最も安いが、近くにスーパーマーケットCarrefourあるいはLeclercがあればレンタカーも扱っているはずなので、さらに経費節約が可能。
ちなみにCarrefourであればFiat 500を平日 27 € / 日で借りられる。
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鉄道を使ってのアクセスは最寄りの駅からバスで以下の通り。
Roissy Pole (シャルルドゴール空港) →bus n°630 所要時間 約25分
Creil →bus n°637 ou n°630 所要時間 約25分~43分
Chantilly-Gouvieux →bus n°645 所要時間 約25分
Orry-la-ville-Coye→ bus n°643 所要時間 約25分
Crépy-en-Valois→ bus n°692 所要時間 約57分
分かりやすく図で示すと以下の通り。
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反ってややこしくなっていたらごめんなさい。
鉄道を使って行く費用を大雑把に計算してみたら、パリからシャルルドゴール空港まで片道11,80 € 。サンリスまでバス料金は2 €。とすると往復一人27,60 €になる。二人以上で行く場合はレンタカーを借りる方がガソリン代をプラスで払っても断然お得なようだ。ちなみにガソリン代は1,8 €/L( 2024年9月18日現在)前後。パリからなら10リットルは消費しないと思う。ただしICカード乗車券NAVIGOを持っている人はシャルルドゴール空港からの往復料金4 €のみで済むはずだ。
以下の名所は観光案内所からの抜粋。
ノートルダム聖堂
フランスで最も小さい大聖堂のひとつらしい。長さ70m、アーチ型天井24m。4世紀にわたって建設されたこの大聖堂は、ゴシック様式が原始的なものから輝かしいものへと進化した完璧な例らしい。
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美術・考古学博物館
ノートルダム大聖堂に隣接するかつての司教の宮殿を利用した美術・考古学博物館。アーチ型地下室には、奉納品、ガロ・ローマ時代の集落跡、3世紀の城壁跡などの素晴らしいコレクションが展示されているらしい。階には考古学コレクションが展示されている。ゴシック様式の部屋には中世の彫刻が、1階には16世紀から20世紀の絵画が展示されている。後者は大きく2つのセクションに分かれており、ひとつはトマス・クチュール(19世紀の歴史画家)、もうひとつはセラフィーヌ・ド・センリス(素朴な芸術の画家)である。
サン・ピエール教会(旧教会)
旧カトリック教会。フランス革命時に神聖性を排除し、屋根付き市場など様々な用途に使用された。1979年から市の多目的ホールとして使用されていたが、2009年に状態が悪くなったため一般公開が中止され、その後8年間の工事を経て2017年5月に再開された。
中世の要塞
ガロ・ローマ時代
普段は一般公開されていない1世紀の闘技場の扉をガイドが開けてくれる。半発掘されたこのアリーナは、剣闘士の闘いを見るために8000人もの観客を収容することができたと言う。
4月から10月の毎月第1日曜日
公園と王城跡
1793年に国有財産として売却されるまで、多くの王の住まいとなった。その後、一部の建物は取り壊され、1956年に町が廃墟を買い取り、敷地を整備した。
旧聖ビンセント修道院
礼拝堂跡には、ヘンリー1世の妻、キエフ王妃アンヌの発案で建てられたサン・ヴァンサン修道院がある。現在のサン・ヴァンサン教会で最も古いのは、北側廊に付属する小さな礼拝堂で、その非常に厚い壁は、1069年に完成した教会の名残である可能性がある。宗教建築の南側にはない回廊との関係で、教会の型破りな位置に驚かされることだろう。1790年に国有財産として売却されたこの建物は、軍事病院、兵舎、紡績工場、そして1836年からは教育センターとして使用され、本来の目的である教育に戻りました。現在は、私立の中等学校が校舎を使用している。
ヨーロッパ遺産デーの期間中* 、修道院の一部を見学することができる。
サン・モーリス修道院
1262年、サン・ルイは、サン・モーリスの仲間であるテバン軍団24名の殉教者の聖遺物を納めるため、王城の周囲にサン・モーリス修道院を設立した。サン・モーリス修道院の東棟は、19世紀まで改築され、2階の修道士宿舎は修復されています。見学の際には、驚くべき木製の「逆さ船底」の天井を発見できるだろう。
イベントやヨーロッパ遺産デーの期間* 中、見学者に開放される。
*ヨーロッパ遺産デーの期間
2024年は9月21~22日