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「休養学」 片野秀樹著


7種類の休養

この本を書かれている片野氏によると、今、日本人の8割が疲れているという。その経済損失は1.2兆円になるらしいです。
企業の生産性を測る指標でも「疾病就業(presenteeism)」や「病欠(Absenteeism)」の割合が多く、日本人は休みの日数が多いわりにちゃんと休めていないのではないかと書かれています。

確かに私も休み方が下手で、意識しないとただ横になって「休んでいる」。
実はこの本は、そんな私を心配してプレゼントしてもらった本です。
ありがたい✨

さて、結論から述べてしまうと休養には7つのモデルがあるといいます。

①休息タイプ:消極的休養・・・例)寝るなど
②運動タイプ:攻めの休養・・・例)軽く体を動かす、入浴など
③栄養タイプ:食べない休養・・・例)ファスティング、プチ断食など
④親交タイプ:社会や人と交流したり、自然や動物と触れ合ったりする・・・例)挨拶をする、森林浴など
⑤娯楽タイプ:自分の趣味や嗜好を追求する・・・例)音楽・映画鑑賞、推し活、読書など
⑥造形・想像タイプ:何かに集中したり、好きなことに思いを巡らせたりする・・・例)絵を描く、DIY、瞑想など
⑦転換タイプ:外部環境を変化させることで、気分をリセットする・・・例)旅行・部屋の模様替え・洋服を着替えるなど

①~③を「生理的休養」、④~⑥を「心理的休養」、⑦を「社会的休養」と分けています。これらを自分に合わせてカスタマイズして組み合わせることが大事だとしています。

疲れの4つのタイプ

どのようにカスタマイズするかというと、本の中に書かれているそのヒントの1つが「疲れの4つのタイプ」。
主に、ストレス量とホルモンバランス、自律神経のバランスでタイプが分かれます。

①バランス良好タイプ:アクセルもブレーキもバッチリ!
②頑張りすぎタイプ:ブレーキが効きにくい
③だらだらタイプ:アクセルが効きにくい
④ぐったりタイプ:アクセルもブレーキも効かない

タイプはその人の習慣や体質によって変わるので、自分に合った対策を取ることが大切と書かれています。
まずは、自分を知ることからですね。

睡眠はマルチな力を持っている

とは言え、やっぱり「睡眠」は重要です。
本書の中には「サーカディアンリズム」という言葉が何度も出てくるのですが、「サーカディアンリズム」とは

概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。(中略)
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。

厚生労働省「e-ヘルスネット」より

人間も生き物なので、体内時計をちゃんと持っているということですね。
それに合わせて生きることが自然なことなのだと。
私も、体調を戻す時にはここからスタートしました。

休むと決めて休養する

読んでいて、これは休養のコツなのかなと思ったことは「自分で決めて休養する」ということです。
「今日はこれをする」とか「隙間時間にこれをしよう」と決めて休むことがコツだと書かれていますが、やはり意識をする(認知する)ことが大切なのだとおもいます。

そのためには、「一旦立ち止まる」時間が必要なのでしょう。
本書の中では、「週末が始まる土曜日に手帳を開いて、次の月曜日からの1週間の日程を俯瞰する」ことをおススメしています。

まとめ

表題に「「休み方」を20年間考え続けた専門家がついに編み出したあなたを疲れから救う」とあるように、医学の専門的な知見から分かりやすく様々な角度から「休み方」を考えられた知見がこの本の中に詰め込まれています。

紹介するために簡単にポイントをまとめましたが、「疲れを取りたいな」と思っている方には是非一読してほしい本です。
特に今(書いている日は2024/1/3)お正月なので、お正月のおともにおススメの本です。



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