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4章 住む(暮らす)こと

衣食住の最後は「住」、つまり「暮らす」ことです。
人間はもともと移動をしながらその日の食べ物や安全を探し続けていた生き物です。人類の歴史からすると定住せず、移動しながら旅をして暮らす時間の方が長く、定住生活をしている時間の方が短いのです。

そして、この定住生活が人間にとって大きな変化をもたらしました。
まず、移動しないということはその土地の気候などの風土に生活が左右されます。
一年中暑い所では、暑さに対応するための家や服装、食べ物などが必要です。特に水が少ない時期はどこから、どうやって水を得るのかということが生きるために必要になります。
逆に、一年中寒いところでは寒さに対応するための家や服装、食べ物が必要です。特に体温をどう維持するかは生死に直結するので、衣服や寒さに耐えられるだけのエネルギーが摂取できる食料を確保することや暖を取ることが必要になります。
その中間の日本のような四季がある場所では、それぞれの季節に対応する必要があります。季節を先読みし準備を整えておかないと、季節が変わったときに一気にそれまでの暮らしが通用しなくなるのです。だから、次の季節に対応するための準備が大切になります。

そして、定住するということは同じ集団の中で暮らしていくことになるので、その土地の歴史やしきたり、伝統というルールに従うことになります。
「常識」は、とても狭い範囲でしか適用されないものです。

それでも、定住することで暮らしが安定し、不安がなくなることで心に余裕が生まれ文化が発達していきます。

文化は「楽しみ」であり、ただ「生きる」のではなく「幸せに生きる」ために必要な要素になります
そして、暮らしが発達し定住を選択しないなど、暮らしが多様化していくことは社会や文化が成熟し、より個人の幸せを追求する時代になってきているのだと思うのです。

「住む」(定住)という行為で、人がより心豊かに暮らすことができるようになりました。
そして、その行為を大切にすることが日々の幸せに通じているのだと思います。




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