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DTP校正の練習用問題「校正間違い探し」を作成しました
こんにちは、DTPオペレーターのあきづきです!
今働いている会社では、職業訓練生の活動支援をしていることから、業界未経験者の方々に「Adobe製品の基本操作」や「DTPの基本知識」などを説明する機会を頂いています。
そんな方々に、初めての業務としてまず最初に挑戦して頂くことが多くなってきたのが、「文字校正」の作業です。
以前までは特定の「練習問題」というものはなく、その時々に動いている案件を実例に練習して頂く、ということをしていました。
ただそれだとどうしても、時期によって説明する内容や難易度に差が出てしまい、「Aさんはこれを知っているけど、Bさんは知らない」というような、タイミングによって説明する内容に違いが出てしまうことがちらほら…。
またそれぞれが違う内容をやって頂くため、個々の技量も把握しづらいということもあり、ある時「校正練習用の専用問題があると良いのでは」という話が社内で浮上しました。
その話が出た時に、「そもそもそういうのを公開されている方っているのかな…?」と探してみたところ。「校閲」の練習問題は多いものの、DTP原稿風の練習問題は中々見つけられず…。
「それならもう自作してみよう!」と、今回作成に至りました。
もし私のように、同じような素材を探している方がいらっしゃれば、少しでもお役立ちになれば…と思い、今回の記事とさせて頂きました。
合わせて、これから初めて「校正」や「PDF校正」を行う方々に知っておいてもらいたい、注意点・ポイントをまとめた動画も公開しているので、そちらとセットでご活用頂けたら幸いです!
練習用問題素材
※Chromeのセキュリティ強化により、
不正ファイルと誤認識されるケースがあるようです。
別ブラウザでダウンロードいただくか、
Chromeの設定を「プライバシーとセキュリティ」→「セキュリティ」→「保護なし(推奨されません)」に変更してダウンロードしてください。
1. 校正の基本説明
今回の問題は「初めて校正に挑戦する初学者の方」を対象として作成しているので、練習に先駆けて、まず最初に「校正」についての概要・基本などから紹介していきます。
2. Acrobat注釈の基本説明
2020年4月以降、テレワークがメインとなり。
現在は原稿の確認も校正も、原則Acrobatで行うのが基本なので、PDF校正を行う上で必要な「Acrobat注釈の基本操作」についても紹介していきます。
(必要に応じて、Acrobatの環境設定も変更しておきます)
3. 校正練習の実施
基本説明が終わったら、実際に校正練習に入ってもらいます。
練習問題から、「練習用_1_原稿」「練習用_2_修正後PDF」の2つを印刷して(もしくはAcrobatで開いて)もらい、練習に挑戦して頂きます。
※問題は、おおよそ30〜45分程度の作業時間を想定して作成しています。
4. 解答例のフィードバック
それぞれ練習が終わったら、解答内容を確認をしていきます。
この工程では、人それぞれ赤字の書き方・疑問点などが異なるので、一人ずつ採点しながら、まずはその方の現状の技量把握を行います。
フィードバック内容としては、主に次記事のような内容を行います。
※「いきなり全てを伝える」というよりかは、把握した現状の状況に合わせて、各人の今の技量に合う内容について補足する形で、アドバイスを行うようにしています。
それぞれの個別フィードバックが終わったら、最後に解答例として「練習用_3_校正赤字例」を渡しています。
5. 指定外変化の基本説明
一通りの基本手順を理解して頂いたら、最後に今後のための応用的な知識として、「指定外変化」について紹介していきます。
※指定外変化については、慣れるまでは「気がつける」「気がつけない」の個人差が最も出やすい反面、見落としてしまうと重大な事故に繋がりやすい危険性も高い内容のため、特に慎重な確認が必要となる大切な工程です。
おわりに
今回の練習問題を社内で導入し初めたのが、2021年3月頃から。
当時はもっと早くコロナが収束するのかな…という思いもあり、最初は紙校正前提で作ったこの練習問題も、今では完全にAcrobat校正用となってしまった最近。
PDF校正に対する個人的な印象として、Acrobat注釈の場合「手書き以上に作業者毎の指示の入れ方に違いが出やすく」、練習頂く人数が増えていくのに比例して、基本として伝えたいアドバイスも徐々に増えていき、気がついたら最低限の内容だけでこの物量になってしまいました…(汗
そのような経緯から、今回は「文字校正の視点」だけに絞って紹介させて頂いたのですが、実務ではこの他にも、「校閲的な視点」「印刷用データとしての安全性」など、他の視点と合わせて校正することが多いです。
それらについては、また別の機会で、少しずつまとめていけたら良いなと思っています。
おまけ (iPadを活用する事例)
今回は録画の都合上、PC上で2つのPDFを横並べにして校正を行なっていましたが、日頃の実務では、次のような感じで作業や校正を行なっています。
![iPadの活用事例](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64195867/picture_pc_86d0a86ddd970bb1abc305263ef60804.png?width=1200)
テレワーク開始当初は、私も「ノートPC」+「サブディスプレイ」で頑張っていたのですが、それだとPCの負荷が大きすぎ、スピード・精度に関しても紙原稿時代と比べるとあまり芳しくないという結果に陥り…。
色々試行錯誤の結果、iPad(×2台)を活用して修正作業や校正を行うようになってから、だいぶそれらの問題が解消できたため、DTPを行う際には、私にとってiPadが必需品となっています…!!
PDF校正ってPCだとやりにくいんだよね…とお困りの方には、ぜひ上記で紹介しているような、iPad活用も、個人的にはとてもオススメしています…!!
おまけ2 (本番問題について)
私が後輩に校正を教える際は、今回ご紹介した練習問題に加え、難易度や間違い箇所を増やした「本番問題」も活用しています。
この2種類の問題は、以下のように使い分けています。
・練習問題:校正が初めての方に基本的な説明を行うための教材
・本番問題:練習問題の内容をもとに理解度を確認するための教材
本番問題には、理解度を測るための「採点シート」が付属しており、効率的な採点が可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1735612959-k9xtOiyzdNRI70Clcj4uSnvW.jpg?width=1200)
現在、本番問題はお問い合わせいただいた方に個別で配布しています。
以下のような方は、ぜひご連絡ください。
・練習問題では物足りず、より難しい問題に挑戦したい方
・後輩の教育素材として、本番問題を活用したい方
ご希望の方は、X(旧Twitter)のDM(@yryama)にて、お気軽にお問い合わせください。
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![あきづき@ InDesignマイスター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168666318/profile_55395e502e42593bd03502c5ff73ee9f.png?width=600&crop=1:1,smart)