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【DTP校正】 読み手の負担を減らす、小さな工夫・6選

早速ですが、問題です。
次の校正結果(内校)について、どちらが「わかりやすい」と感じますか?

複数枚の指示書 & 丁寧語
1枚の指示書 & 最低限の言葉

環境や立場にもよると思いますが、私は後者のほうが直観的でわかりやすいと考えています。今回の記事では、私が校正を行う際、読み手の負担を減らすために心がけている6つの工夫について紹介します。



1. 短く簡潔に伝える

丁寧語を重視した例
必要最低限の言葉を重視した例

丁寧な言葉はビジネスにおいて重要ですが、長すぎる文章は要点が埋もれ、肝心の内容が伝わらなくなるリスクもあります
これを防ぐために、校正指示は必要最低限の言葉に絞り、補足が必要な場合のみ丁寧語を使うといった、臨機応変な使い分けが大切です。

補足が必要な場合の例

2. 要点を最初に書く

修正指示には「今すぐ必要な修正」と「確認が必要な修正」があります。
チームワークでは、まずディレクターがそれらを精査をした後、オペレーターに修正指示を出します。そのため、確認事項だけをまとめて先に確認したいケースもありますが、最後まで読まなければ要点がわからない場合、該当箇所を探すだけでも一苦労です。

行頭に「要確認」の一言を加えるだけで、確認事項が一目で探せます。
補足説明が長くなる場合、なるべく冒頭で要点を伝えると親切です。


3. ビジュアルを添える

文字情報だけの場合、相手の理解度によって、こちらの意図がうまく伝わらないことがあります。

時間が無い時ほど、文章だけで送ってしまうことはありがちです。
ですがその結果、相手にこちらの意図が伝わらず、確認のやり取り回数が増えてしまっては本末転倒です。直観的かつスムーズに相手に理解してもらうためには、文章と併せて画像も添えて伝えるほうが、より親切です。

具体的な場所を画像で示した例

4. 別紙を減らす

別紙が増えるほど、「別紙を確認する工数」が発生します。
元原稿を見なくても修正内容がわかるよう、具体的な修正内容を書くことで、読み手の確認工数が減らせます。

別紙を見ないと「元々入っていたアイコン」の詳細が不明 → 別紙の参照が必須
(別紙を見なくても、修正内容がわかる)

※固有名詞・価格・品番・申込番号など、「記載間違いによる事故リスクが高い内容」に関しては、「作業工数よりも正確性の方が重要」となるため、そのような場合では、臨機応変に別紙も併用します。


5. コメントをまとめる (Acrobat)

コメントの確認時、見落としを防ぐための工夫として、チェックマーク機能を併用しながらコメント確認をしていきます。そのため、コメントの数が増えるほど、「コメントにチェックを入れる工数」も増えていきます

一行ごとに取消線が入れられ、コメントが2つになっている例(=コメント数2つ)
2行分がまとめて1つのコメントにまとまっている例(=コメント数1つ)

まとめられるものはなるべく一つのコメントにまとめることで、チェックを入れる工数を減らすことができます。


6. 表示形式を揃える (Acrobat)

Acrobatコメントには、記載内容がコメントパネルを「開かなくてもわかる」ものと「開かないとわからない」もの、2種類の表示形式が存在します。

上記のように一箇所だけ非表示型コメントを使っている場合、コメントパネルを開き忘れた結果、コメントの見落としが起こる可能性があります。
なるべく表示形式は元々の形式に合わるほうが、手数が減り、親切です。

● 元々が「手書き原稿」or「表示型コメント」
コメントパネルを開く必要のない「表示型コメント」で統一する

元々が「非表示型コメント」
コメントパネルを開く必要がある「非表示型コメント」で統一する

※後者はどちらでも良さそうにも思えますが、以前下記のような事例があったため、なるべく統一する方が、意図しないトラブルの元を防げそうです。


まとめ

今回は、校正作業時に意識している6つの工夫について紹介しました。
どのポイントも単体で見ると、僅かな負担にしか過ぎないかもしれません。

しかし、喩え一つ一つは小さくても、複数が積み重なることで、読み手側の立場では大きな負担になってしまっているかもしれません。

この記事が、誰かの小さな気づきに少しでも繋がればなれば、幸いです。

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あきづき@ InDesignマイスター
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