バンギャル、何も知らないCreepy Nutsを見に行く
初めてのアーティストを観ようシリーズ、番外編
バンギャルが全然知らないCreepy Nutsを観に行ってみた。
最近は休みの日に今日暇だし元気あるかも?と思ったら、その日行けるライブを探して参戦したりしている私です。
今日もなにかヴィジュアル系のライブないかな〜?と情報漁っていた時に、Creepy Nutsのチケット譲りますのチケットを発見。
当日なので安値で、ということもありなんとなく、行ってみるか〜という気になり譲っていただきました。
Creepy Nutsのことはヒプノシスマイクのどついたれ本舗に楽曲提供をしたということと、ネットミーム程度のぶりん…ぶりん…みたいな曲しか知らない状態。でも知らないものほど観てみたいのが私のブームである。
そんなわけで曲は1曲しか知らない状態で挑んだCreepy Nuts代々木体育館ワンマンの感想です。
・客
多い。当たり前に多い。幅広い客層で男性もたくさんいました。普段私が行くようなびじゅある系だと客の9割が女性なので、なんだか普通の世界が広がっていて眩しかった。
カップルや友人同士で来ている人が多かった気がする。
・MC
思っていたより、よくしゃべっていた。ヒップホップのライブって観たことないけどもっと高圧的で挑戦的な態度なのかと思ったら、コワモテだけど親しみやすいお兄さんと、完全サイコパスなお兄さんの漫才のようなトークが繰り広げられていた。
広い会場なのにヤジを拾って近い距離感で客と話していて、ここ二万電圧だっけ?と感じるぐらい。場の作り方がうまい。
私は親しみやすいお兄さんの「光」って感じのトークにダメージを喰らってたので、DJの方が捻くれイカれたトークをし始めたときに安堵した。
クレジットカードをスイスで無くしたけど止めてない、拾った人は使ってください。とセキュリティコードと有効期限をぺらぺら言い始めて本当に怖くて面白かった。奇行すぎる。
ラップの人が「こいつ法で捌けないタイプのヤバいやつやん…」と頭を抱えていた。
ほかに印象的だったのは「好きに楽しめ」というくだり。
「みんなが跳んでるときに棒立ちでもいいし、反対方向に手振っててもいい、俺とバース刻んでもいいし、でかい声で歌ってもいい。隣のやつが「素人のカラオケ聞きにきたんじゃねえ」と言ってくるかもしれないけど、大丈夫、俺の声の方がデカくて太い。(客:ヒュー)だから好きに楽しんでくれ。みんな同じじゃなくていい」
「みんなと違うズレ。はみでる、先走る、出遅れる。それこそが俺たちの音楽。俺らはどこに行っても、見た目も、音も、浮く存在だから。その歪みを音楽にしていく」
というような発言が印象的に残りました。
己のコンセプトと強みを把握してアウトプットするアーティスト好きすぎるんよな。すごいよかった。
・パフォーマンス
代々木体育館って本当に縦長で観にくい箱(箱?)だなと思うんですが、デカデカモニターが5枚もあってDJプレイングの指先までアップで写してくれててよかった!
花道は無しで、メインステージのみ。
縦長を活かすレーザー演出が映えててかっこよかったです。
座席がスタンドのBとかだったのでステージから遠く、正直音がちょっと遠くて小さい気もしたんだけど、普段が爆音に慣れすぎているせいかも。
ラップとDJのパフォーマンスが上手いのか?とかは知識がなくてよく分からないけど初見でもノリノリになれたのでたのしかったです。DJってあんなクルクル動きながら回せるんだ。
・曲
ぶりん…ぶりん…の曲だけ、聞いたことある…!となった。ヒットしているアーティストだと思うので、私以外にもこの曲しか知らんやつ沢山いそう!と思ったけど周りは意外と全然みんな詳しくてプロっぽかった。
最初のMCのあと(たぶん)にやった、照明赤くてちょっと暴力的なサウンドの曲が一番格好いいなと思いました。中盤のチルな感じのやつは、酒とかを飲みながら観たいが!?となった。
・フリ
致死量の縦ノリ。
バンギャルって縦ノリと手を挙げるフリが苦手な人がそこそこいると思うんですが、もう大体ぜんぶそれで、もはやウケた。
私も手挙げるのあんまり好きじゃないんだけど、単純に疲れるし、なんか恥ずかしいなとなるんですよね……なんなんだろう、この感覚。
絶対頭振るほうが恥ずかしい行為なのにな。
そんでバンドマン側はやたら手を挙げさせたがる、謎のすれ違いが発生してるんですよね。ライブハウスでは。
と、脱線してしまったけど、縦ノリ・ジャンプ・手を振るとか、そういう楽しみ方でみんな思い思いに楽しんでました。
・総評
とにかく盛り上げ上手で、楽しかった!
ライブに行く目的がだいたい「推しを見る」(アイドルの時)「頭振って暴れる」(びじゅある系の時)の私は、そうじゃないライブって何するんだろう?と思ってたわけですが、特に「何する」とか無いんでは???と気付かされました。
音にノって生で好きな曲聴いてみんなと盛り上がる、みたいな。本当にこの手のライブってあまり観ることないので新鮮でした。
個人の好みの問題で言えば、もっと煽られたり尖ったもの見せつけられるほうが好きだけど、でも子供から大人までファン層広げた今尖りすぎててもイタイのかもだし、商業アーティストにとって大衆的であることって重要だし、それで多くの人の心を掴むからこそ着実に売れてるんだなあと思いました。東京ドームすごすぎる。おめでとうございます。
以下、帰り道にぼんやりもろもろと考えてたこと
・はみ出ものの音楽という点では、びじゅある系と通じるのかも?とおもったけど、やっぱり眩しさは感じた。
・眩しいなあと思ったらなんか苦しかった。
・客の人数のせいなのか?
・でもだとしら、デカ箱でやってるヴィジュアル系はどうなるのか?
・マトモっぽく見える客層だから?
・人にはそれぞれ地獄があるからマトモそう、なんて意味のない偏見
・大衆的という意味でどうしてもマイルドではある。死ねとか言われなかった。(?)
・歌詞聞き取れてないからほんとはもっと攻めたことをリリックで言ってたかも
・「大衆感」は売れたあとのBTSに感じてたものとおなじかもしれない
・社会的に認められているコミュニティに身を置くとたまに物凄い具合悪さ感じるんだけど、これって無意識な劣等感なんだろうか…?
・シンプル好みとして、もっと負の感情に寄ったものが好きってだけの話かも
・私がびじゅある系に感じる魅力って本当にどうしようもなくて社会的にはダメな人がステージの上にも下にも集まって、なんとか生きようとしてるそのコミュニティ性なのかなぁ
などとあっちこっち考えて特に答えは出さぬままぶらぶら歩き、代々木公園でビールを飲み、RAZORを爆音で聴きながら帰宅しました。
貴重な経験ができてよい週末でした。
次はどこかに頭を振りにいきたいと思います!
おわり