学びたいという好奇心に刺激を受ける
山梨県立大学地域研究交流センター主催の秋季総合講座が9月15日に開かれました。延べ93名の方が来てくださいました。高校生から県の生涯学習講座の受講生の方まで、年代、性別問わず幅広く参加してくださり、みなさんの「学びたいという好奇心」に私たちも刺激を受ける1日となりました。ありがとうございました。
秋季総合講座は、学びの秋にあわせて、毎年開かれています。看護、人間福祉、国際政策の各学部から教員がそれぞれの専門や関心に合わせたテーマでお話をさせていただきます。去年とことしは、苔玉づくりのワークショップも開かれました。
講座の概要は次のとおりです。
①思春期女性の健康は次世代の健康の礎(看護学部:萩原結花 准教授)
まず、思春期女性の「やせたい願望」や日本人女性の「やせ」の現状が紹介されました。そして、思春期女性の「やせ」は、自分自身の将来の健康はもちろんのこと、低出生体重児を産むだけでなく、児の将来の生活習慣病のリスクを高めることにつながることなどが解説されました。そのために、どのように栄養を摂取することが望ましいのか、摂取カロリーや必要な栄養素等が提示されました。講座を通して、自分の身体を大切にすることは「将来の家族への愛情でもある」と感じられたのではないでしょうか。
②あなたが認知症になったら?~認知症と共生する地域づくりのために~(看護学部:小山尚美 准教授)
長寿であることは、認知症と共生する覚悟をし、備えることが求められます。認知症の人や家族の生活の質を守るためには、認知症の中核症状の影響で生じるBPSD(徘徊、不安、妄想等)を予防することが重要であると解説されました。BPSDは中核症状だけでなく、その人の価値観や習慣などが深く関わってくるため、その人の生活史を理解していることで、認知症の人の言動(BPSD)の理由に気づけるようになります。それにより、どのように声をかけたり環境を整えたりしたらいいかを考えることができると、具体例と共に示されました。講座を通して、家族一人ひとりと、「これまでの生活史から大切にしていること」を話す時間を大切にしたいと感じられたのではないでしょうか。
③カナダで学ぶ、カナダで暮らす(国際政策学部:二宮浩輔 教授)
世界で二番目に広い国土に約3500万人の人々が暮らす国、カナダ。大自然に恵まれた多文化主義の国として知られていますが、日本に住む私たちにとっては、知っているようで実はあまり馴染みのない国でもあります。そんなカナダでの学びや暮らしについて、9月までカナダに滞在していた二宮教授が解説してくださいました。実生活に基づくお話は、カナダの雄大さを思い起こさせるようなもので、受講した方からは「娘を留学させたい」などという言葉も聞かれました。
④植物の力で地域を幸せに!(人間福祉学部:前川有希子 講師、五味武彦 非常勤講師)
植物の開花や実りは、地域に暮らす多くの人が幸せな気持ちになります。子どもの成長に、植物はどのような影響をあたえるのか、障害者と植物はどのような関わりがあるのか。最初に授業の実践例などをご紹介したあと、苔玉づくりのワークショップを楽しんでいただきました。去年に続いて参加した方や親子でいらした方、さらには留学生も加わり、老若男女入り混じっての賑やかなワークショップとなりました。
この記事は、山梨県立大学地域研究交流センターの運営委員である兼清慎一が書きました。(2018年10月31日)
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